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特殊陸戦部隊長の平凡な日々
第4話:ハイジャック事件−4
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が先決だよ」

《確かにそうですね。 ところで、そろそろ時間では?》

レーベンに言われて、ゲオルグは時計に目を向ける。

「10時半か。 そろそろ行かないと間に合わないな」

ゲオルグはそう言うと、部屋の奥にあるモニタに目を向けた。
折しもティアナの居る取調室に犯人の一人が連れて来られてきたところだった。

(ガンバレよ・・・)

ゲオルグは画面の中で真剣な表情をするティアナにエールを送ると部屋を出た。





自室に戻ったゲオルグは戦闘報告書の束を抱えると屋上へと向かう。
隊舎の屋上は3機のヘリコプターとティルトロータが1機が置かれていて、
そのうちの1機のヘリコプターがロータを回していた。
ゲオルグはその1機に近づくと機体側面にあるドアから中に入る。

中ではチンクが座席に座って待っていた。

「悪い、待たせたな」

「いや、時間通りだ。 私が早めに来たんだ」

チンクの言葉を受けてゲオルグは時計を見る。
チンクの言うとおり時刻はちょうど約束の時間だった。

「みたいだな。 けど、女性を待たせるのは俺の主義に反するんでね」

歯の浮くようなセリフをサラリと言うゲオルグだが、残念ながら今回は
不発だったようで、チンクは表情を変えずにゲオルグの方を見る。

「そう思うならサッサと席に座ってベルトを締めるんだな」

「はいはい・・・」

ゲオルグは苦笑しながらチンクの隣の席に腰を下ろすと、
シートベルトを締めて前方のパイロットに声をかける。

「いいぞ、出してくれ」

「了解しました」

パイロットがちらりとゲオルグの方を振り返って答えると、
ヘリはすぐに上昇し始める。

機体が安定したところでゲオルグは戦闘報告書をパラパラとめくりながら眺め、
チンクは頬づえをついて外を眺める。

「まもなく着陸します」

押し黙ったままのゲオルグとチンクを乗せ、ヘリは本局の屋上に向けて
降下していく。
ゲオルグが報告書から顔をあげ、窓から下を見ると屋上には数人の制服姿の
局員が立っているのが見えた。

「ほう、出迎えつきか。 私たちはずいぶんと評価されているようだな」

チンクもゲオルグと同じように本局の屋上に目を向けていたようで
呟くように言う。

「まあ、俺らが評価されているというより、少将の客だからだろうな」

ゲオルグは報告書を鞄にしまいながらチンクの言葉に答える。

「なるほどな・・・」

チンクは小さな声でそう言うと、ゲオルグの方に顔を向ける。

「だがお前とて陸戦部隊の中でも精鋭と言われる部隊の隊長だ。
 評価はともかく敬意は持っていると思うがな」

ゲオルグはチンクの言葉を聞くと、顔をあげてチンクと目
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