第4話:ハイジャック事件−4
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ら頷く。
「となるとだ。 なぜそんな不合理な行動にこいつらが走ったのかを
解明していく必要があるだろうな。
今の時点で何か思い当るところはあるか?」
ゲオルグが2人の顔を見ながら尋ねると、ウェゲナーは肩をすくめて首を振る。
それを見てゲオルグは苦笑を浮かべる。
「ティアナは?」
ゲオルグが尋ねるとティアナは思案顔で腕組みしていたが、
やがてあきらめ顔で首を横に振った。
「ありません。 ゲオルグさんはあるんですか?」
自分より背の高いゲオルグの目をティアナは上目づかいで見る。
ティアナと目が合うと、ゲオルグは口の端を少しゆがめた。
「・・・1つだけなら」
「どんなストーリーですか?」
興味津津という顔で訊いてくるティアナに向かって、ゲオルグはウィンクする。
「・・・内緒だ」
ゲオルグの答えにティアナとウェゲナーはガクッと肩を落とす。
そしてティアナは非難めいた目線をゲオルグに向けた。
「教えてくださいよ」
「ダメダメ。 執務官ならそれくらい自分で考えなさい」
そう言って笑いながら手を振るゲオルグをティアナは不服そうな顔で見る。
が、しばらくして諦めたように大きく息を吐くと、ゲオルグに笑いかける。
「わかりました。 必ず私自身の力で答えを見つけて見せます」
そしてティアナはウェゲナーの方へと向き直る。
「取り調べを始めましょう。 まずはリーダーから始めます。
行きますよ、ウェゲナーさん」
ティアナはウェゲナーにそう言うと部屋を出ていく。
「あ、ちょっと! 部隊長は取り調べに立ち会われないので?」
「ああ。昨日の報告を少将にする必要があるんでな。後は任せたぞ」
「了解です。 では!」
ウェゲナーはゲオルグに向かって敬礼すると、ティアナを追って部屋を出る。
ゲオルグ一人が残された部屋の中にゲオルグのものではない声が響く。
《で、マスターのストーリーはどんなものなんですか?》
「扇動者がいたんだと思う」
《扇動者・・・ですか?》
訝しげな声で問い返すレーベンの声にゲオルグは頷く。
「考えても見ろ。 金欲しさに海賊行為に走るような連中に
次元港の厳重な警備を潜って次元航行船に潜り込むような
緻密な計画を練るような頭があると思うか?
仮にあるならティアナの言ったようなことに気付かない訳がない。
とすれば、考えられるのは何者かに乗せられて今回のような行動に出たってこと」
《なるほど。 では、その扇動者は・・・》
「さあな。 そこはティアナたちの取り調べに期待だ。
それに、偶然が重なってあそこまでは成功したってこともありうる。
なんにせよ連中の口を割らせるの
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