第五話
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「どうすればいいんだろう……」
うあー。
ベッドにダイブしてごろごろと転がる。
右へごろごろ。
左へごろごろ。
あまり人にお見せできない行動を取っていると不意にノックの音が鳴った。
姿勢を正してベッドに腰掛ける。
――この静謐な気配は……リーラか。
「どうぞ」
「失礼します」
静かに入室してきたのは、やはりリーラだった。
恭しく一礼する。
「お部屋でおくつろぎのところ申し訳ありません。少々お時間のほど、よろしいでしょうか?」
「うん、構わないけど?」
「ありがとうございます。式森様に是非、城内の案内をと思いまして」
「おー、それは嬉しいね。ちょっと興味はあったんだ」
部屋に籠ってきりじゃ気も滅入るだけだしね。
俺の返事を聞いたリーラは柔らかく微笑んだ。
「左様でしたか。興味をお持ちいただけてわたくしと致しましても嬉しく存じます」
では、参りましょう。リーラの言葉に頷いた俺は重い腰を上げた。
† † †
薄暗い廊下を歩く。廊下の中央には赤い絨毯が敷かれている。
見渡す限り窓はなく、照明はあるが光量が落ちていた。
「このところ水銀旅団の襲撃が増えているため、不必要な照明は消しています。この城は自家発電ですから、電力に限りがあるのです」
「節約してるんだ」
「はい。ですので、式森様にご不便を被ることになるかもしれません」
大変申し訳なさそうな顔で頭を下げるリーラ。
慌てて頭を上げるように言った。
曲がり角をいくつか曲がり階段を下りる。
ここの廊下は壁面に窓があった。赤と青で彩ったステンドグラス風だ。
「へえ、ステンドグラス風なんて洒落てるね」
「ご主人様がすべて職人に用意させたものです。ご主人様のお気に入りでもあります」
「確かに綺麗だもんね」
途中が踊り場になっている階段を下りる。
「ところでリーラはここにいて大丈夫なの? 水銀旅団とやらと交戦が近いんでしょ?」
「部隊は前線に向かっております。部下がしっかりしているのでご心配いりません。それに、式守様のお相手をするのも重要です」
「そこまで気を遣わなくてもいいのに」
「いいえ、そうは参りません。客人をもてなすのもメイドの務め。どうぞ、このリーラにお相手をさせてくださいませ」
なんでこ
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