暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/stay night -the last fencer-
第二部
聖杯戦争、始動
夢の狭間で ─戦いの理由─
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い掛かる。
ボタンだの継ぎ目だのを外しながら、一枚一枚ひっぺがしていく。
面倒くさい構造の外套を脱がして下着の服をずり下ろす。
そこにはこちらを涙目で睨む、綺麗に剥けたフェンサーが居ました。
余談だが、腕に支えられて揺れています。
何がって? さあ何でしょう?
治療の為に脱がしたのに、深く考えたら男として負けである。
「ほら、やっぱ怪我してんじゃん。思わず涙出るくらい痛いんなら最初っから治療を頼め」
「…………だって。怒られると思ったんだもの」
「いや、今も怒ってない訳じゃないけどな。黙られてたらもっと怒るのは目に見えてるだろ?」
肩の傷口にそっと触れる。
まだ残っているということは不治の呪いか、毒の呪詛か。
幸い治せないほどではないので、解呪と治癒を四重程度に重ね掛けしておけば完治するはずだ。
「今後、俺のいないとこで勝手な戦闘禁止な」
「えー」
「なんでそこで不満そうなんですかね!? 一人で戦った結果が今の状態でしょうが!
ゲイ・ボルクが本当に伝承通りなら心臓に当たっててもおかしくないし、心臓に当たっちまったら治癒は間に合わんし、当たり所がよくても多分治せん」
心臓に必中、不治の呪い。
曰く、対人においてクーフーリンが負け無しだった理由はそこにある。
あの槍がしっかり心臓に命中して生きていられるのは、人間じゃないナニかだ。
呪詛自体の効力がそれほどではないところを見るに、呪いを最大発揮した一撃は躱したのだろう。
道具自体にそういう効力や呪いが掛かっていても、術者本人がその意味合いを発揮させるつもりがなければ効果は薄れる。
とにかく、俺が居ればフォローも出来るが、居ないところで勝手をされては何も出来ないので、そういうのはやめてほしい。
後になってあのとき俺が居れば────なんて思いたくはない。
戦うときは共に命を預け合う覚悟を持って、二人で挑むべきだろう。
マスターとサーヴァントに限らず、パートナーってのはそうあるものなんだから。
「俺の知らんところで勝手に死ぬのは許さんぞ。もしも死んだらぶっ殺すからな、ちゃんと覚えておけ」
最早自分でも何を言っているか分からない。
ただフェンサーに死なれるのは困る……というか嫌なので、それが伝わればいいのだが──
「……うん。わかった」
なんて穏やかな顔をしながら言うので、こっちもあんまり怒る気にならない。
こういうところ、女はズルいと思うの。
「はぁ……今日は一日待機だな。じゃあ飯にしようか。おまえも疲れてるだろうし、外は寒かっただろ」
立ち上がって台所に入る。
確か昨日のビーフストロガノフが残っているはずなので、そ
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