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Fate/stay night -the last fencer-
第二部
聖杯戦争、始動
夢の狭間で ─戦いの理由─
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込まれたのだ。
血液を流すこともなく、身体機能を司る内蔵の七割を吹き飛ばされた少女は、何も言わぬまま命を散らせた。
戦いが始まってから三分と経たずして。
圧倒的戦力差で虐殺されるだけだと思われた青年は、この短時間に敵の半分を殺戮せしめた。
「あぁ…………もう」
溜め息が漏れる。
無感動に敵を殺尽するも、青年とてそれは望んでやっている訳ではない。
いくら能力が高くても戦闘経験もない人形に負ける要素などなく、能力が高いだけに殺さずにおくこともできない。
殺すより生かすことの方が何倍も難しく、単一命令に従うだけの彼女らはその生命活動を停止させるまで動き続ける。
彼にとってのただ一人を救うためにここまで来たというのに、無意味な殺生をさせられる。
だが彼女を救うためならば、他の何を犠牲にしても構わぬという不退転の覚悟を以て、青年はこの地に足を踏み入れたのだ。
何年も前に交わした、尊く儚い約束──
何があろうと貴女を守るという、汚れなき純潔の契りを果たすために────
故に、この虚しい戦いは、青年が無垢なる白き少女たちを絶滅させるまで続くのだ──────
数十を越える血を斬り捨てながらに辿り着いた、城主の座の間。
其処に待つこの城、いやこの国の当主は、冷たい光を宿した眼で、目の前に現れた青年を見つめていた。
「貴様、何用じゃ。我が眷属を鏖しにでも来たのか、小僧」
「問うべきことは一つ。彼女は……何処だ?」
「一体誰の事か。この城には彼女と形容可能な者は無数におるぞ」
「巫山戯るな。オレが言っているのは一人しかいない。
もう何時死んでもおかしくない、あの子のことに決まってんだろ!!」
怒号とともに、魔力が視覚化するほどに溢れ出る。
渦巻く魔力は雷気を纏い、彼が持つ武器が主の怒りに鳴動している。
側に控える付きの者は無意識に後退しているが、当の城主は見下すように青年に視線を向けていた。
「それを知ったところでどうする?」
「オレが守ると、オレが救うと約束した。何がどうなっていようと、その誓いを果たすまでだ」
「ふ、ふは、ははははははははは!!
……無知とは滑稽なことじゃ。現実の残酷さを知らぬから、そのような戯れ言を並べ立てられる」
嘲りの哄笑か。
まるで道化でも見ているかのように、城主は青年の浅はかさを笑う。
何がどうあっても救えない。何をどうしたところで救えない。
留められぬ死こそが彼女の運命であり、それを覆すならば奇跡でも持ってこなければ話にならないのだと。
「ここから出てゆけ、小僧。おまえに出来ることなど何もない。
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