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Fate/stay night -the last fencer-
第二部
聖杯戦争、始動
夢の狭間で ─戦いの理由─
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肉ごと飛び散ることだろう。
己の数倍優れたその敵を前に、青年は一歩だけ動く。
一瞬の残像は陽炎のように、いや影朧のように揺らりと。
その一歩で、白の女と青年の決着はついていた。
引き抜かれる蒼槍。
口と胸から零れ落ちる赤い命の泉。
白装束を鮮血の華で彩りながら、聖女は決して長くはなかったその生命活動を終えた。
「……こんなものか」
崩れ落ちる聖女を見下ろし、物言わぬ屍となったそれを踏み越えながら、青年は門扉を抉じ開けた。
刹那、墜落してくる鉄塊の方な突風を回避。
中空より落ちてきたのは、先ほどの聖女に酷似した少女。
手には無骨な大剣。
それは地面に埋め込まれた厚さ15cmの、魔術加工を施された石板を容易く砕き割る。
門から城内へと続く道には、
同型の白い少女
(
・・・・・・・
)
が無数に配置されていた。
目測で12人。先に即殺したのも含めれば13人。
総人数には魔術的な意味合いもあるのだろう。もしかしたら配置そのものにも式陣の意味が含まれているかもしれない。
見て看破出来る性能は、全員がほぼ同じ能力値であること。
一人あたり平凡の魔術師千人分に匹敵する魔力を秘め、武装も生半可な武器ではない。
単純な戦力比にして一対万。
そんな比べることも馬鹿らしくなるような戦局に身を置くも、対峙する青年に絶望はなかった。
「
起動
(
セット
)
……
魔術廻炉
(
エーテルドライヴ
)
──」
自己を変革する独自呪文。
両腕に刻み込まれた魔術刻印が緑光を発する。
全身に廻る回路に循環させ、炉心となる心臓を魔力が通過する。
精練した魔力を槍に注ぎ込み、内包された力を解放した。
蒼槍に星の光が宿る。
漏れ出す魔力が穂先に五つの鏃を作り出し、槍は鉾のような形状に変化する。
青年が槍を携え、踏み出そうとしたそのとき。
三本の鉄矢が、大気を突き破るように飛来する────!
「っ……!」
一秒の後に直撃していたであろう剛矢を、槍の払いで全て弾く。
その隙を見て、烈瞬の踏み込みと共に大剣が脳天へと振り落とされる。
身体を中心軸に合わせて半転させ、最小限の動きで躱す。
続いて鋸のような大刀と岩石のような鉄槌が左右から襲い来る。
後宙転で更に躱し、鉄槌の少女に槍を突く。
命を奪う死の一閃は、正確無比に心臓を穿った。
まず標的としたのは、一番の超重量を持つが故に最も敏捷性のない少女。
情けなく容赦なく、冷徹に、無慈悲に。
糸が切れた人形のようにその生命活動を停止させられ、少女は地に倒れ伏した。
再び飛来する矢を、槍に突き刺さったままの少
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