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フロンティア
一部【スサノオ】
十六章【特務ギルド】
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言葉とは裏腹にフラフラとし目の焦点が合わない零。

「大丈夫…かな?」

心配そうに零を支えるティティ。
そのティティの行為に気が付くと、今度は胸の高鳴りから目が回りそうになる。

「おいおいおいっ!本当に大丈夫かよ!?」

「だいっ…ダイジョウブでふ…はな…話を続けてくだはい…」

明らかに大丈夫ではないその有り様に、零の本当の状態に気付いていないウォルターは申し訳なさそうに苦笑いを浮かべる。

「うーん。本当に申し訳ない…で、えっとなんだっけ?」

「なんだっけ、じゃありませんわよ…。特務ギルドに関してですわ」

GMらしからぬウォルターに呆れ顔のクラウリー。

「あぁ、そうだ!僕らのギルド、名前を『ブラザーフッド』っていうんだけどね!スサノオに関する情報はもちろん、フロンティアを熟知したメンバーからネイティブの特性やエクステンドの有効活用の方法も教えてもらえるし、君たちにとって悪い話ではないと思うんだよ!」

ウォルターの勧誘の言葉にしばらく沈黙し考え込む3人。
悪い話ではない。むしろ零達には好都合な条件で断る理由などなかった。
しかし、その誘いに対し意外にも零達は良い顔をしない。

「まぁ…悪い話ではないわな」

「ですけれど府に落ちませんわ。…ベテランさん方がいらっしゃるのなら私たちなんて必要無いのではなくて?」

そう、フロンティアを熟知しているようなメンバーが揃っているのなら零達のような初心者と大差変わりのない者をわざわざ特務ギルドへ入れるメリットなどないはず。
そして、それとは別に零には別の疑問が浮かんでいた。

…本当に奇跡だったのか?

零が引っ掛かっていたのは、ウォルターの『奇跡のような確率』という言葉。
果たしてティティと偶然出会ったそれは、本当に奇跡のような偶然だったのだろうか?
それとも、その奇跡はウォルターによって仕組まれたことなのか…。

いまだに、零の中からGの『哲二には気を付けろ』の言葉が消えることはない。

もし、あの洞窟にはオンショウが居ると知っていてワザと俺たちを連れて行っていたとしたら…

もし、あの洞窟へ俺たちを連れて行った本当の理由がスサノオを産み出させるためだったとしたら…

もし、ティティと出会った事が奇跡などではなく仕組まれた必然だったとしたら…

もし、この特務ギルドへ誘ってくる理由が俺たちを利用して何か良くない事を計画を実行するためだったとしたら…

そこまで考え、零はその疑念を振り払うように首を振る。

…バカバカしい。第一オンショウを俺たちに見せるメリットもないしスサノオだって産み出したかったなら自分でやった方が手っ取り早いじゃないか。

…それに、ティティさんへ話しかけたのは俺からだし、いくら
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