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とある碧空の暴風族(ストームライダー)
新たなる力へ
Trick60_私と本気で模擬戦をして!
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・・・何もできなかった。結局、アイツに助けられて」

「アイツとは、上条さんですか?」

「うん。私は何も助けられないで、美玲が大怪我を負った。

 信乃にーちゃんが助けに来なかったら、私達は死んでいた。
 助けに行ったはずなのに、何もできずに逆に助けられただけ。

 ほんと、私って何の為に行ったのかな」

「・・・・」

「それは違います、とミレイは即刻否定します。

 お姉さまが出した色取り取りの電撃、あれが無ければ一方通行の一撃で
 私は死んでいました。

 ・・・不思議です。昨晩の実験で、御坂は死んでいるはずです。
 それは一万回以上繰り返されてきた、当たり前のことでした。

 それなのに今この瞬間も活動を続けています。
 ミサカ達は殺されるために造り出されました。
 ただそれのみが存在意義であり、生み出された理由でした。

 しかしお姉さまとあの少年、信乃にーさまによって、その目的が失われました。
 リストラです。無色です。絶賛路頭に迷い中です。

 だから、ミサカにも生きるという事の意味を見いだしたいと思っています」

「ミレイ・・・」

「実際は働いたら負けかな、とミレイは心の内を晒します」

「変な自我芽生えた!?」

「冗談です。

 これからも一緒に探すを付き合ってください。
 とミレイは精一杯のワガママを言います」

「・・・本当にダメなお姉ちゃんね、私ってぱ。
 妹にも慰められてさ」

「お姉さまがダメダメなのは前から知っていました、とミレイは毒を吐きます。
 ダメダメですが、それでもミレイは御坂美琴をお姉さまだと思っています」

「・・・ありがとう。
 でも、それだけじゃ私が納得できない」

美玲に向けていた体を、信乃の真正面に回り込み、そして堂々と言い放った。

「お願い、西折信乃さん。私と本気で模擬戦をして! 誇りを賭けて!!」

「――誇りを、ね」

誇り(プライド)を、族章(プライド)を賭ける。

奇しくも、美琴の挑戦状は暴風族(ストームライダー)の開戦と同じワードだった。

「いいぜ、賭けてやるよ。俺の誇りを」



つづく

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