第18話「京都―決戦C」
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を備えていた。
このままではマズイ、そう考えた其は逃げようと宿儺の命を捨てることを考えた時だった。
――……にげられねぇ!?
気付けば石化していく体。
元々、視認できないほどに小さな体なので石化するのも一瞬。何かを考えることも、恐怖を覚える間もなかった。
――あ?
気付けば永久石化の魔法にかかり、生を奪われた。
其は生命としての活動を永久に失ったのだった。
太陽が山々の間から顔を覗かせ始めていた。
徐々に広がる光が新しい一日の始まりを告げ、それに答えるように世界が動き出す。
木々が新鮮な酸素を吐き出し、深緑の匂いを際立たせる。鳥がさえずり、生物達の朝を知らせる。湖の中にまで浸透しだした光が暗き湖の底をまばゆく映し出す。
昨夜の戦場が、今では静かに日常を向かえていた。
ただ違う点は2つだけ。
まず、一つ目。誰もいないはずのその場所に、朝の光に似合わぬ黒い存在がそこに佇んでいた。
「……これが永久石化、か」
呟き、目の前に立ち尽くす石像を眺める。
違う点の2つ目がそれ、つまり石像だ。
顔が前後に一つずつ。足も対になって前後に存在している。知る人ぞ知る両面宿儺の像。だが、一つだけ伝承と違うことがあった。
腕が2本しかない。伝承では足や顔と同じように前後に2本ずつで計4本あるはずだ。
だが、それはどうでもいいこと。
実際に何の像であるかを知る人間は2,3人しかいない。それに今からこの像は跡形もなく消えさるのだ。そんな些細なことに目を配っていても仕方がない。
あまりにも精巧に作られたそれは見るものが見れば頬ずりをしたくなるほどになめらかに存在していた。
「これで、エヴァとフェイトに借り1つずつ」
エヴァンジェリンには「ぼうやとの一件で貸し借りは無しだ」と言われていたがネギの時はただ手を出さなかっただけなので、タケルとしてはチャラにしてしまうには心が重い。
ちなみに、ぼうやとの一件とはいわゆる「桜どおりの吸血鬼」の時のこと。ネギに手を貸さないでほしいといわれて頷いた。ただそれだけの一件だ。
どうやって借りを返せばいいのかはわからないが、いつか返すときが来るだろうから、今はいい。
無言に無音で。
タケルはZガンを掲げた。
――微塵すら残さずに消し去る。
それは朝のほんの一幕だった。
いくつもの鈍撃が山に降り注いだ。
昨日の夜、エヴァンジェリンが意識のないタケルを助けるため木乃香のもとへ連れ帰ろうとしたとき、それは起きた。
まず、タケルが目をゆっくりと開いた。
数秒の後、彼なりに状況を理解したの
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