臆病な殺戮者
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―――――だーめ、これは・・・私たちの役目・・なん・・・だから――――――――
「っうう!」
数分もしないうちに、俺に向ってくるオレンジは一人もいなくなった。目の前には腕や足などを切り落とされ、戦意を失ったオレンジたちがいた。彼らの顔には恐怖が張り付いている。
これ以上はダメだ。暴れる体を無理やり押さえ込む。思い出すのはさっきの言葉。止まれ、止まれ・・・!
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・・」
何とか押さえ込むことができた。まだ、自分の意思で戻れるようになっただけまし・・・か。
「む、むちゃくちゃじゃねぇかよ・・・」
「・・・・・ああ・・・そうさ、この世界はたかがゲームだが、だからこそこれだけの差がつく」
レベル差があるだけで、ここまで無茶な差がつく。これがレベル制MMOの決定的な法則。圧倒的で理不尽な、戦略、装備だけではどうにもならない差。
そう、どうしても覆すことができない・・・このゲームの絶対的なルール。
「チッ」
不意にロザリアが舌打ちすると、腰から転移結晶をつかみ出す。それを宙に掲げ、口を開く。
「転移けっ───」
その言葉が言い終わらぬうちに、衝撃波が飛び、転移結晶がバリンと音を立てて砕け散った。
「させるわけ無いだろ?」
「ひっ・・・ど、どうする気だよ畜生!!」
さて、こいつらをどうするか・・・。俺にできることといえば、こいつらを逃がさない事位しかない、それだけだ。ほっとけばまた悪事を再開するだろうし、かといって全員を軍の牢屋までつれてくのも無理。
「おーい、ちょっと待ってくれ!」
いい解決策が浮かばず悩んでいると、街道の方から見覚えがある黒尽くめが走ってくるのが目に入った。
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