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DOG DAYS 記憶喪失の異世界人
第5章 今のレイジと記憶のレイジ。そして金髪の少女との出会い
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…」

そう言うと暫く黙っているレオ。
やはりすぐには決められないよな………

「………ワシは最後まで諦めんぞ」
「ん?」

そう思った矢先、レオが何かを呟いた。

「諦めんと言ったのだ!!ミルヒも勇者もレイジもワシが守ってやる!!例え記憶が元に戻り、悪人だったとしてもワシが改心させる!!貴様もこの国の民なのだ、絶対に見殺しにせん!!」
「………」

レオの予想外の言葉に開いた口が塞がらなかった。
予想よりも真逆の答えで、全てを救うという答えだった。

「レオ………」
「ワシはやるぞ。伊達に王を名乗っているわけではない」

そんなレオの優しさが見に染みる。だからこそ、国民からも信頼が厚いのだ。

「全く、レオには敵わないよ………」
「レイ!?」

抱きつかれ、何も言えなくなるレオ。

「ありがとう、本当にレオに出会えて良かった………」
「レイジ………」

暫く2人はそのままでいたのだった………






「入りづらいな………」
「入りづらいですね………」

そんな2人の様子を扉越しに見ているビオレとガウル。
2人共自分のすることを終え、レイジの見舞いに来たのだが………

「まさか2人がこんな関係になっていたなんて………」
「確かに、姉上のあんな姿なんて見たことねえよ………どうする?」
「見なかったことにしましょう。でないと姫様、あの時みたいに我を忘れて暴れるかもしれませんし………」
「確かに………」

ビオレが言ったあの時とは、まだ星詠みの予言が無かった時の話だ。
レオの部屋からビスコッティのミルヒオーレの歌っていた歌声が聞こえてきたのでおかしいと思い、そっと覗いてみた時だった。

………鏡の前で歌ってる。

「あの後、うっかり見たジョーヌが皆に言いふらして、それを聞いた姉上の暴走をゴドウィンとバナードとビオレで何とか止めたんだよな………」
「ええ、それも何とか。姫様、恥ずかしさのあまり止まるに止まれなくなって多くの怪我人を出しましたから………」
「じゃあ少し時間経ったら来るか」
「そうですね」

2人でそう話合い、静かにその場を去ったのだった………









「よし、少し休憩するかな………」

城で借りたセルクルから降り、ゆったりと流れる川に近づく。

「冷たい………」

靴を脱ぎ、足を突っ込むと水の冷たさが体全体に広がってきた様な気がした。

「お前も流石に喉乾いたか」

そんな俺の横に着て川の水を飲むセルクル。
よく見ると可愛らし顔しているよな………

「何か記憶が無いのに、1人でいるのが随分懐かしい気がする………」

誰もいない森の中で風で揺れる葉っぱの音と川のせせらぎ、そしてメ
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