第5章 今のレイジと記憶のレイジ。そして金髪の少女との出会い
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頭を撫でるとくすぐったいのか頭を動かすレオ。
「全く可愛い寝顔………ぐっ!?」
そう思っていると、再び頭痛が。
前にも同じような事を………?
「くそっ、一体なんなんだ!?」
「ん?何だ騒々しい………」
俺の怒鳴り声でレオが起きてしまったらしい。
寝ボケ顔で俺をしばらく見ていたが、その後慌てた様子で俺に迫って来た。
「レイジ!!大丈夫か!?どこも異常は無いか!?」
「顔近っ!?一旦落ち着け、落ち着けレオ!!」
体を揺すられ、正気に戻ったレオ。
この間近の距離感に恥ずかしくなったのか、みるみる顔が赤くなり、顔を合わせられないのか後ろを向いてしまった。
「結構うぶなんだなレオ」
「うるさい!!貴様は平気なのか!?」
「まあな俺には………俺には?」
今、俺は何を言おうとした?
「くそっ、俺は一体誰なんだ………!!」
「レイジ………」
俺の怒声を聞いて心配そうな顔で見てくるレオ。
「ご、ごめん………最初は自分が誰なのか分かっていくごとに嬉しかったんだけど、思い出す記憶がちぐはくで、俺が本当にレイジなのか、それとも別の誰かなのか分からなくなっていってるんだ。そして俺はそのうち………今の自分も消えるんじゃないかって………」
「レイジ!!」
「俺は一体誰なんだ………くそっ………」
不意に思い出すちぐはぐな記憶。
様々な記憶に翻弄され、レイジは精神的に参っていた。
「なあレイジ、お前にとって記憶とはとても大事なのだと思う。だが、そんなに苦しむのならもう求めなくてもいいのでは無いか?」
「そういう訳にはいかない。記憶を取り戻すことによって俺も本来の力を取り戻す事が出来る。じゃないとレオの力になれないからな」
レイジの言う通り、レイジに記憶が戻り始めてからは、レイジの実力も格段と上がっていた。
今ではゴドウィンとも本気で渡り合える程で、誰もがその実力を認めていた。
「だが………」
「俺はお前達の役に立ちたいんだ。記憶喪失の俺を受け入れてくれたこの国に恩返しがしたい。俺もこの国が好きだから………」
「レイジ………」
「だが、もし記憶が完全に戻った俺がこの国を破壊しようとしたら迷わず殺してくれ」
「レイジ!?」
「あの星詠み、最後の言葉が無かったろ?あの後の俺が何をするのかが不安なんだ。記憶の戻った俺が実は悪人でこの世界を破壊するかもしれない」
「そんなこと………」
「無いとは言えないだろ?」
「………」
俺にそう言われ、返す言葉が無いのか、しゅんとするレオ。
「そんな顔するな。必ずしもそうなるって訳じゃないんだから」
「ワシは………」
「レオ、君にお願いしたい。例えどんな結果になってもレオだったら悔いはない。だから最後はレオが……
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