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とある碧空の暴風族(ストームライダー)
妹達
Trick59_美玲
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  美玲(みれい)

 『美』はさっき言った通り。『玲』は楽器の『玲琴』から。
 琴ちゃんの『琴』と合わせられるの」

「!・・その名前は素晴らしいです。今から美玲と読んでください、
 とミレイは大満足の笑みを浮かべます」

「その口調、変わらないのね。でも私も嬉しいな」

御坂は優しく笑った。

「なかなか良い名前です。今後ともよろしくお願いします、美玲さん。
 それでもう一つのお願いとは?」

「はい、2つ目。それは信乃さんのように空を跳びたい、とミレイはお願いします」

「・・・・理由を聞いても?」

「理由は単純な好奇心です。
 昨日の晩、信乃さんのビルからビルへの移動。空には綺麗なお月様。
 私もお月様と一緒に空を跳びたいとミレイは興奮を抑えています」

昨晩、信乃の(トリック)に一番魅せられたのは美玲だ。
お姫様抱っこの状態で走っていた、信乃の技は安定して不安など無かった。
むしろ地上の街灯、空のお月様を曖昧な意識ながら見ていた。

ああ、この都市はこんなに美しかったのか。
初めて地上に出た時と同じレベルの感動を美玲は受けていた。

「A・Tは特殊な訓練が必要です。それに危険を伴う。
 それをわかっているんですか?」

「はい、承知しています。それを考えたうえで、跳びたい!・・・飛びたいのです!!」

美玲のキャラに遭わない強い口調に、信乃たち3人は呆気にとられた。

「・・・とミレイは興奮しすぎてましたが、今は大声を申し訳ないと反省しています」

「ク・・・・ククク。
 面白い。面白いですよ、美玲さん。

 気に入りました。
 簡単にA・Tを許可するわけにはいきませんが、最低限の準備をしましょう。
 
 おまけで2つほど、私から美玲さんにプレゼントがあります」

「プレゼントですか、とミレイは期待を胸に抱いています」

「その無くなった左腕を私が作りましょう。先生でも問題ないですが、私からの気持ちです。
 もう一つは、名前です」

「名前は先程、美雪さんからいただきましたが、とミレイはこいつ健忘症ではないかと
 心配しています」

「誰が健忘症だコラ。

 名前は姓の方です。私の戸籍は御坂さんとは別。その戸籍には私だけしかいません。
 私が家長です。自由はある程度利きます。

 だから、俺の家族にならないかか、玲ちゃん?
 いや、西折 美玲さん?」

「ッ! ・・・・はい!」



つづく


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