FIND THE WAY
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物を取ろうとする、が。
ぐぐ・・・
「・・・」
ぎゅうう、ぎゅっ、ぎゅううう・・・
顔は見えないが、必死な様子で被り物を引っ張るナツだが、被り物はピクリとも動かない。
それを見たティアは珍しく恐る恐る、ナツに尋ねる。
「1つ聞かせて・・・アンタ、まさかとは思うけど・・・」
「うん・・・ぬけねー」
「はぁぁあああああああっ!?」
ティアの叫び声が部屋中に響く。
「おお・・・まいったなぁ」
「何やってるのよバカナツ!初めて会った時からバカだとは思ってきたけど、まさかここまで底抜けのバカだとは思ってもみなかったわよこのバカ!」
「おい、そんなにバカバカ言うんじゃねーよ。俺が傷つくだろーが」
「アンタはそんな繊細な人間じゃないでしょ!」
1回で4回もバカと叫んだティアにナツが呟き、さらにティアはナツに指を突き付け叫ぶ。
「まぁまぁ落ち着けって。ほら、お前もこれ付けとけ」
ナツは被り物の横に置いてあったベルトを素早くティアに巻き付ける。
因みにベルトには黒猫の尻尾付きだ。
「何するのよバカナツ!」
「おおっ!お前顔立ちネコっぽいから似合うじゃねーか。じゃあついでにこれも」
そう言うとナツはどこから持って来たのか、掌にピンクの肉球が描かれたモコモコの手袋のティアの手にはめる。
それに続けて、彼女の被る帽子を取り、同じく黒猫の猫耳カチューシャをつけた。
もう完全に黒猫である。
「私は着せ替え人形じゃないのよ!帽子返しなさいっ!それは大事なものなんだから!」
「いいじゃねーか、似合ってんだし」
「アンタにそんな事言われても嬉しくないわよ!全く・・・」
ナツの行動に心底なんて言葉では足りないくらい呆れたティアは、カチューシャを取ろうと手をかける、が。
ぐっ、ぐっ・・・
「・・・は?」
ぎゅい、ぎゅい・・・
嫌な予感がして、必死にカチューシャを取ろうとするティア。
しかし、ナツの被り物同様、ピクリとも動かない。
「な、何よこれぇぇぇぇぇぇっ!?」
「うははっ!お揃いだな、ティア」
「笑ってる場合じゃないわよ!なら、この尻尾は・・・!」
今度は尻尾のついたベルトを外そうとするが、外れない。
手袋も引っ張ってみるが・・・もう結果は言わずとも解るだろう。
「・・・ウソでしょ?」
ティアが呆れたように額に手を当てる。
「ほれ、帽子」
「勝手に装備させておいて随分呑気ねアンタは・・・!」
ナツから差し出された帽子を素早く掴み、小さく折りたたんでワンピースのポケットに入れる。
「まぁ、面白れぇからいいか。なぁ?ティア」
「アルカみたいな事言って
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