それが出会いになりました
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間を組んで、少しでも多くの経験値ボーナスを手に入れたりしてる訳だ」
「…………仲間なんて要らないわ」
「それについては同意するね、仲間が増えれば不満も増える――――たった今、経験値に関しての疑問が出たようにな。
しかし、良く考えて見ろ。車の運転をしながら台所で料理ができるか? 学校の授業でノートを書きながら同時にプールで泳げるか?
俺達は睡眠時間を削っているから最前線に居られるが、階層が上がれば圧倒的にパーティーを組んだ方が有利になる。
強い奴ばかりでも武器を揃える鍛冶屋が居なければ直ぐに弱くなる、戦いに篭ってばかりでは情報が得られない、情報屋も必要だ。
出来れば回復職も欲しい――――魔法の使えないSAOでそんなソードスキルかアイテムが見つかったら奇跡だな…………」
「…………それって、嫌な奴でも頭を下げて従えって言ってるの?」
「――――そいつが、そいつ等全員がムカつく程度なら問題にならないくらいの欲望や夢が手に入るならな。
このSAOは――――デスゲームで一番大事なのは命だ、現実に戻れなくなるし、どんな欲望や夢も実現出来なくなる。
いつか自分の命を天秤に掛ける時が来る、掛け金として投げ込まなきゃ行けない瞬間が来る。
嫌な奴でも全員に頭を下げろと言っている訳じゃない、それが出来る奴は政治屋だ、金の為なら死に物『狂い』の欲望に忠実な奴だ。
お前の欲望は何だ? 何が欲しい? 何がしたい? お前は何になりたい? お前は何に『狂う』?」
「……………………そんなの、わからない――――わたしは……ただ……無駄にしたくないだけ――――何もしないまま終わりたくない。
…………今はそれだけよ」
「『進みたい』か『遊びたい』かハッキリしてるなら、それで良いじゃないか、後はどっちかに全力だ、疲れたら遊び、飽きたら進め」
「――――疲れたら遊び、飽きたら進む…………少しいい加減じゃないかしら?」
「そう言うのは立派な欲望と目標を持ってから言うんだな、何も見えてない内は、見えていないなりにヤレって事だ」
「やっぱり、いい加減だと思うわ」
「正解探し、自分探しは自分でやれ、『今日からお前はゲームの住人です』って言われた全員が同じ答えな訳ないだろ」
「…………――――そうね、わたしの答えはわたしにしか出せない――――他人の価値観に縛られるなんてごめんだわ」
それから俺達は多くを交わす事無く、只管レベルを上げ続けた。
約十日後の第一層ボス戦攻略会議が開かれる日まで……。
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