第十九話 〜活躍と暗躍 ホテル・アグスタ【暁 Ver】
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動きが」
つい先ほどまで、蚊を墜とすが如く簡単に撃墜されていたガジェットが、まるで別の『何か』に変わったような動きを見せていた。ヴィータの鋭い視線が、ちらりとホテルの方角を向く。
「心配いらん、ヴィータ」
「べ、別に心配なんかしてねー」
「いざとなれば、主はやて達もいる。それにあの三人は……恐らく私達が考えているよりも強い。……特にアスナ」
「わかってる。なのはなんか、あたしの顔見る度にボヤくんだよ。「優秀すぎてつまんない」って。知らねーっつうの。だけど……まだまだだ。危なっかしくて見てらんね。……特にアスナ」
二人一緒に顔を見合わせ、暫く笑いあう。そうしている間にも数機のガジェットが、彼女たちへと迫り来る。
「守んなきゃな」
「無論だ」
二人同じタイミングで、刹那の如く振り返る。走る銀閃と鉄槌。銀閃は真一文字にガジェットを両断し──── 鉄槌は弧を描きながらガジェットを叩き潰した。
「……あるまいなー」
アスナは気の抜けるようなかけ声を上げながら、一機のガジェットを殴りつける。冗談としか思えないような勢いで吹き飛ばされたガジェットは、別の機体を巻き込んで爆散した。殴りつけた瞬間を狙った別の機体の接近を許したアスナは、そのままベルト状の触手に捕まってしまう。だが、彼女は力任せに引きちぎると触手をそのまま掴み、振り回し始めた。
「……わははははは」
楽しそうで何よりだわ。振り回すのに飽きたのか、目が回ってきたのかはわからないが、アスナは振り回していたガジェットを別の機体へと叩きつけ、その勢いで更に別の機体を巻き込んでスクラップと化していく。
「何、あのアスナ無双。あと、ティアはアスナの前で変なこと言わないで。すぐ真似するから。……それにしても、急に動きが良くなったね。耐久力も少し上がってるみたいだ。何で元気になったのかな、ガジェット」
「さぁ? やばいクスリでも打たれたんじゃないの。……あぁ、もう面倒臭い」
あたしは二発のカートリッジをロードすると、自分の周りに魔力弾を生成する。その数──── 二十。スバル、そこにいると危ないわよ。文字通り、弾丸の如く撃ち出されていく魔力弾。それは、ガジェットに回避する暇さえ与えず、十五機いたガジェットに次々と風穴を開けていった。はい、終了。……スバルが変な顔をしながら、変な動きで、変な声まで上げて必死に回避したのが面白かったわ。
「面白くないよっ、あたしの体にも穴が空くとこだったよ」
「だから、危ないって言ったじゃない」
「うわ、ねぇ聞いた? 今の」
「……ティアナはこわい。今に私もねらわれる」
「何で、あんたを狙わなくちゃいけないのよ」
「……私はこの通り人もうらや
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