温もりの中で
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私はその時話してくれたことを、いまでもよく覚えている。
「花乃ちゃん?ごはんたべよう」
「…あ、うん、いこっか…」
いつだって木暮家の食卓は賑やかだ。長女の知沙さん、そして沙耶、双子、そして幼稚園の弟だ。
大学生の知沙さんか沙耶が生活を切り盛りしているらしい。
「沙耶…もういいの?」
「うん、大丈夫。」
「そっか。」
「もう、部屋に戻るね」
そうして、二人で部屋に戻ってきたものの、沙耶はだまっだままだった。
「…さや」
「…あのねっ」
二人の声が重なる。私はそっと頷いた。
「…あのね…」
そうして、私は事の顛末。自分の勘違いを知ったのだ。
*
「そっか…」
私は沙耶の背中をもう一度強く抱きしめた。
沙耶がしがみついてくる。
「これから…どうする?」
「私は…大事にしたくないの。そのまま、あと一年間だけ過ごしたい…」
「そんなにうまくいくもんかな?」
「でも、こんなこと、他の人にはいいたくないよ…」
「そうだよね…でも、やっぱりこのままはよくないよ。」
「…でも…」
「じゃあさ、二人にだけ話すのはどう?うちの部活の顧問の先生。あの人化学だし、女だし。あとね、お姉ちゃんには話しなよ?きっと、なんかあったって気づいてるよ」
「…うん、わかった、今日じゃなくたっていいよね…」
「うん。」
「…あのね、花乃ちゃん、今日だけでいいから…一緒にいてくれる?」
そうして私と沙耶はぴったりとくっついて二人で寝た。沙耶が私を握る手が痛かった。
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