暁 〜小説投稿サイト〜
黄昏アバンチュール
温もりの中で
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話

私はその時話してくれたことを、いまでもよく覚えている。

「花乃ちゃん?ごはんたべよう」
「…あ、うん、いこっか…」

いつだって木暮家の食卓は賑やかだ。長女の知沙さん、そして沙耶、双子、そして幼稚園の弟だ。
大学生の知沙さんか沙耶が生活を切り盛りしているらしい。

「沙耶…もういいの?」
「うん、大丈夫。」
「そっか。」
「もう、部屋に戻るね」


そうして、二人で部屋に戻ってきたものの、沙耶はだまっだままだった。

「…さや」
「…あのねっ」

二人の声が重なる。私はそっと頷いた。

「…あのね…」
そうして、私は事の顛末。自分の勘違いを知ったのだ。





「そっか…」
私は沙耶の背中をもう一度強く抱きしめた。
沙耶がしがみついてくる。

「これから…どうする?」
「私は…大事にしたくないの。そのまま、あと一年間だけ過ごしたい…」
「そんなにうまくいくもんかな?」
「でも、こんなこと、他の人にはいいたくないよ…」
「そうだよね…でも、やっぱりこのままはよくないよ。」
「…でも…」
「じゃあさ、二人にだけ話すのはどう?うちの部活の顧問の先生。あの人化学だし、女だし。あとね、お姉ちゃんには話しなよ?きっと、なんかあったって気づいてるよ」

「…うん、わかった、今日じゃなくたっていいよね…」
「うん。」

「…あのね、花乃ちゃん、今日だけでいいから…一緒にいてくれる?」


そうして私と沙耶はぴったりとくっついて二人で寝た。沙耶が私を握る手が痛かった。




[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ