第七十六話 有為転変は世の習い
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
装甲を軽くしてるのに柔くねえっていうのは――――」
「それでロウ・ギュールよ、そなたは結局どうする気なのだ?」
ロウがストライクフリーダムを修理しながらその構造に驚いている中、ミナが話しかけてくる。何をどうするのかといった言葉が一部抜けているのは試しているのか、それともどのことに対する答えが返って来るのかを期待しているからなのか。しかし、ロウはそんなことに対して気にすることもなく普段通りに応える。
「どうするってそりゃあ直すに決まってるだろ?それが俺の仕事で俺自身がやりたいことなんだからな。だから誰にも止められる筋合いはねえし、止める気もないさ」
「――――なるほど、それがそなたの答えか……」
ミナは彼の回答に納得する。ロウの言っていることは自分の道は自分で決めるというごく当たり前のことを行うという発言だ。そして、天空の宣言はそういった答えを寧ろ求めている。
「話を変えることになるが、そなたに一つ頼まれていることがある。そなたともかかわりの深い傭兵からの依頼だ」
「お、もしかして劾の奴からか?」
「フッ、その通りだ。機体の改修を任せるとの事らしい」
こうして今再び王道でない者の原点とも言える三機が集う事になる。
◇
「ダナ・スニップが裏切るとは……確かに彼はそういった事を行ってもおかしくはない者ではあったが……」
ネオの報告を聞いて一人の士官はそう呟く。ガーティ・ルーのブリーフィングルームでは意見を言えるような立場の人間は全員集まって話していたのだが厳しい現状に誰もが溜息をつきたくなる。帰還できなかった多くのパイロットとMS。アルザッヘルから出撃した連合部隊の敗北。ダナの裏切り――――そのどれもが自分たちファントムペインを追い詰めるものだ。
帰還できたのはエミリオとアウル、そしてネオだけ。機体に至ってはまともに稼働するのは最早ロッソイージスとG‐V、使われていなかったMAであるエグザスだけだ。アルザッヘルの連合部隊の壊滅によって自分たちが頼るべき母体も少なくとも宇宙ではほぼなくなったと言っていい。そして、何よりダナの裏切り。これが一番ファントムペインという組織として堪えた。
裏切りというの行為は組織に対して疑心暗鬼を生じさせるものだ。これまで信じてきた相手が突然的に寝返るというのだから当然だろう。ましてや裏切った先がプラントというファントムペインのメンバーにとっては憎しみすらある相手だ。
「まあ、今更焦ってもどうしようもないだろ?今俺らがすべきことは何だ――――反省か?必要かもしれんが、それは今すべきことじゃないだろ。諦める事か?馬鹿いえ、俺らがそんな殊勝な輩なのか?」
沈黙して暗くなった雰囲気を払拭しようとネオは努めて明るく振舞いながらそ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ