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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Episode ZERO:
Vivere Est Militare
ANSUR0天秤の狭間で揺れし者〜Starting the Last TestamenT〜
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猫さん、鳥さんや魚さん、虫さんやお花さん、色んな命も死んじゃってた。世界だって無傷で済まない。そうなる前に人間を殺し尽くした。悪い事じゃないじゃん」
プリンキピウムは頬を膨らませる。自分たちは間違っていないと。殺されるような事を仕出かそうとしていた人類の方が悪いのだと。天秤は「結果を早急に導き過ぎだ」と大きく溜息を吐き、20の“グングニル”の突撃力を増加すると、徐々にプリンキピウムの干渉防御を侵食していく。
「うざいうざいうざい・・・うざいんだよっ!」
「我、
界律の守護神
(
テスタメント
)
が一柱、天秤の狭間で揺れし者4th・テスタメント・ルシリオン。我が御名と権限において、始原プリンキピウムへの断罪をここに執行する」
天秤――黒き第四の力に座す4th・テスタメント・ルシリオンは、左手に携えている“第四聖典”の投擲体勢に入った。プリンキピウムも干渉防御の中で、手にする真紅のカンタベリー十字を水平に構えた。
――Divide et impera/分割して統治せよ――
――汝よ敬え、汝よ崇めよ、汝よ称えよ、汝よ祈りて、ただ跪け――
テスタメント・ルシリオンが“第四聖典”を投擲。漆黒の光の尾を引いた“第四聖典”がプリンキピウムの干渉防御に着弾。不可視だった干渉防御に揺らぎが生まれ、可視化する。役目を終えた“第四聖典”が手元に戻ってくる。その直後、20の“グングニル”はプリンキピウムの干渉防御を突破し、プリンキピウムの矮躯を蹂躙した。
首から下に無傷なところはなく、だが貫かれた傷口より漏れるのは血液ではない。虹色の光の粒子だ。傷口より光粒子が漏れだすたびにプリンキピウムの輪郭が徐々に崩れていく。“グングニル”が貫いている傷口から多くの光粒子が解離していき、崩壊が始まっていく。プリンキピウムの終焉だ。
「・・・・こんな芝居などする必要は無いぞ、プリンキピウム」
しかしテスタメント・ルシリオンはそう言い、崩れていくプリンキピウムとは別のところに視線を移す。それに対し何の反応もないまま、“グングニル”で貫かれていたプリンキピウムが完全に崩壊、消滅する。貫いていたモノを失った“グングニル”はすべてテスタメント・ルシリオンの周囲へと戻り、蒼い魔力となって大気に霧散していった。
「干渉能力で創られた贋物というくらい判断が付いている。テスタメントもユースティティアもよく使う手だ。私もかつての契約で使ったことがある」
するとどこからともなく「やっぱり騙されてくんないか」という、プリンキピウムの声が空に響き渡る。
そう、テスタメント・ルシリオンの言う通りプリンキピウムは生き伸びていた。
干渉能力はまさに神の奇蹟。自我を持った分身を創る事も容易い。プリンキピウムは“グングニル”に貫かれる直前、自分に重なるように分身を
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