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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Episode ZERO:
Vivere Est Militare
ANSUR0天秤の狭間で揺れし者〜Starting the Last TestamenT〜
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かしその前に天秤がボソッと告げる。プリンキピウム間近まで接近していた炎塊が突如大爆発を起こし、爆炎がプリンキピウムを呑みこんだ。当然爆発にも干渉能力が付加されており、プリンキピウムにダメージが通る。だが、天秤はそれだけで良しとはしなかった。彼女の実力の高さを知っているからだ。彼は畳みかけることの出来る今を好機とし、
「我が手に携えしは確かなる幻想」
呪文と思しき詩を詠唱。すると彼の周囲に、武器らしきものが突然いくつも現れる。それは、30cm程度の黄金の柄の上下に刃渡り1mはあろうアクアマリンのような宝石の穂を持つ槍だった。
「目醒めよ、神槍グングニル・・・!」
天秤はさらに言葉を紡ぐ。20と存在するまったく同じ形の槍――“神槍グングニル”という銘の武器の“力”を解放した。穂にうっすら刻まれているルーン文字と呼ばれるいくつもの文字が輝きだす。そして爆発もようやく治まり黒煙となっているその場より、
「痛ったいなぁ・・・・天秤」
プリンキピウムの不機嫌そうな声が漏れて来る。天秤は「やはりな」と嘆息。しかし天秤はそれに慌てることなく、パチンと指を鳴らした。
――
最高神の神槍
(
コード・オーディン
)
――
20の“グングニル”が一斉に黒煙へと突撃していく。黒煙より姿を露わしたプリンキピウムが“グングニル”の接近に気付いた。彼女はカンタベリー十字を振るって、
――Adversa virtute repello/私は逆境を勇気によって跳ね返す――
全方位に干渉防御を展開する。また防御できると思っていたプリンキピウムだった。だがその考えは甘かった。20の“グングニル”は干渉防御に弾かれることなく、不可視の障壁を突破しようと突き刺さる。プリンキピウムの表情が驚愕に染まる。彼女は自分の干渉防御に絶対の自信があったのだ。
「私が人間だった頃より共に歩んできたグングニルと魔術だ。そこに守護神の干渉能力を付加した。そう易々と防ぐことはできないぞ」
天秤が誇らしげに言う。人間だった頃より。つまり彼は自分が人間でない事をハッキリと告げた。しかし天秤とプリンキピウムの間に、そのような事実など無意味だ。
「人間の創った魔術如きが、最上位存在である
霊長の審判者
(
ユースティティア
)
のあたしを傷つける?」
「元人間である私も、今は貴様と同じ最上位存在である
界律の守護神
(
テスタメント
)
だぞ? 人間の創った魔術とはいえ、干渉付加有りだ。貴様にでも十分通用する。さぁ覚悟しろ、プリンキピウム。その体に風穴を開けてやる」
プリンキピウムの言った“
霊長の審判者
(
ユースティティア
)
”。それは正しくあらゆる存在の上位に位置することに変わりはない。天秤の言った“
界律の守護神
(
テスタメント
)
”もまた同様に、あらゆる存在の上
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