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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Episode ZERO:
Vivere Est Militare
ANSUR0天秤の狭間で揺れし者〜Starting the Last TestamenT〜
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か?』
テスタメント・マリアからの突然のリンク――“テスタメント”間用の念話――に、テスタメント・ルシリオンは訝しんだ。契約執行中でならリンクが送られて来てもおかしくはないが、“神意の玉座”でリンクはまず送らない。何せ目の前に居るのだから、リンクではなく口で話せばいい。わざわざリンクで話すということは、他者に聞かれたくない内容だということだ。
『ルシリオン様がテスタメントをやっているのは、堕天使エグリゴリという連中の所為でしたよね?』
『・・・・ああ。そうだ』
テスタメント・ルシリオンの表情から温かみが消える。代わりに浮かんだのは悲嘆、焦思などと言った沈んだものだ。テスタメント・マリアも釣られ表情に暗い陰を落としたが、気を取り直して告げる。
『
分身体
(
わたし
)
の契約先の世界に、ルシリオン様が使う魔法陣と同じモノを扱う男性が――』
「本当かっ!?」
大声を上げ、勢いよく立ち上がるテスタメント・ルシリオンに視線が集中する。テスタメント・マリアと一部を除く他“テスタメント”の疑問に満ちた視線が集まるが、彼は気にも留めず彼女へと詰め寄っていく。
「どこだっ! 教えてくれマリア!」
テスタメント・マリアの細い肩に両手を置いて問い質す。テスタメント・グロリアが「ちょっとルシリオン!」と止めに入った。それでもテスタメント・ルシリオンは「頼むマリア!」と懇願する。
「落ち着いてくださいルシリオン様。私が召喚しますから」
“界律”からの契約が無い場合、その“界律”に召喚されている“テスタメント”によって召喚という術がある。それを聞き、テスタメント・ルシリオンはようやく手を離し、「ありがとう、マリア。恩に着る」と深々と頭を下げた。
「いいえ。私にも関係することですから」
「結局はどういうこと?」
話が見えず、そう小首を傾げるテスタメント・グロリアに、テスタメント・ルシリオンとテスタメント・マリアは「秘密だ」「秘密です」と答えた。テスタメント・ルシリオンとテスタメント・マリアの“テスタメント”脱退が係っている話だ。
上位の“霊長の審判者ユースティティア”に後れを取るとはいえ、通常の契約であるなら何も問題ない二柱。それが一度に抜ける。それを“神意の玉座”が黙って見過ごすわけもなく。何かしらの妨害があると見た二柱。だからテスタメント・マリアはリンクを使ったのだ。
「ではルシリオン様。愚者と賢者は紙一重5th・テスタメント・マリアが、天秤の狭間で揺れし者4th・テスタメント・ルシリオンを召喚します」
テスタメント・マリアが告げる。玉座に戻ったテスタメント・ルシリオンが息を吐き、「召喚を承認」と目を閉じる。彼の意識の欠片と分身体が玉座より解離、テスタメント・マリアの導きの下、召喚先の世界へ
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