暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Episode ZERO:
Vivere Est Militare
ANSUR0天秤の狭間で揺れし者〜Starting the Last TestamenT〜
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“第七偽典”は彼の脇腹をごっそり抉って粉砕。抉られた部分より虹色の光粒子が血飛沫のように解離していく。プリンキピウムはトドメを刺すために“第七偽典”を振りかぶる。

「ほら、こんなにアッサリと決ま――ほぇ?」

――クリシシエーニイ――

しかしその時、プリンキピウムを薙ぎ払うかのように発生した光の鞭。プリンキピウムは直撃を受け、右肩から左腰に掛けてバッサリと裂かれた。

「クフフ、ストップストップ。それ以上は許さないよ」

テスタメント・ルシリオンを抱え支えるように姿を露わしたテスタメント・グロリア。小声で「もう大丈夫よ」とテスタメント・ルシリオンに微笑みかける。そして傷口を押さえて崩壊の進行を抑えているプリンキピウムに“第三聖典”を突きつける。

「もう感知してると思うけど、残っているのはあなただけだよプリンキピウム」

「ぅぐ・・・。星狩りが出てきた時点である程度予測がついてた。あーあ、テルミナスやフォルトゥーナ辺りに怒られそうだなぁ、今帰ったら」

負ったダメージを瞬時に回復し、プリンキピウムがやれやれと言った風に肩をすくめる。

「だったら帰らなきゃ良いじゃない。クフフ、ここで死んじゃえば良い」

――ピルヴァロードヌイー・グリエーフ――

――Angelus iustissime, ora pro nobis/いと正義なる天使アンジェラス、我らの為に祈り給え――

二柱と一体の間で炸裂する強大な干渉攻撃。空を染め上げる強烈な閃光。プリンキピウムはそれを隠れ蓑として位相空間転移、離脱を図った。テスタメント・グロリアはそれを察知し、干渉攻撃を撃ち込むが手遅れだった。閃光が治まった時、そこにプリンキピウムの姿は無かった。

「すまないグロリア。私がもう少し粘っていれば――」

「クフフ。気にしない気にしない。困った時は助け合い♪ それが人間のルールなんでしょ? だったらもっと頼ってちょうだい」

テスタメント・グロリアはテスタメント・ルシリオンの唇に人差し指を押しあて、彼の謝罪を黙らせる。ニコニコ笑顔を振りまいて「ほら、契約執行完了だよ」と言って、その姿を消した。テスタメント・ルシリオンもまた「感謝する。契約執行完了」とボソッと告げて、その姿を消した。

?―?―?―?―?―?

全てが白に染まる広さも何も判らない空間。
ただその空間にあるのは、淡く碧く輝いている直系5m近い光球と、その光球を囲むようにして存在している11の玉座。
玉座1つ1つで色が違い、背もたれの上にそびえ立っている十字架の形も様々だ。
そしてその玉座に座っている11の人影も、それぞれ色違いの外套を羽織っている。
ここは“神意の玉座”――またの名を“遥かに貴き至高の座”――と呼ばれる最高位次元。
あらゆる世
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