暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Episode ZERO:
Vivere Est Militare
ANSUR0天秤の狭間で揺れし者〜Starting the Last TestamenT〜
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th・テスタメント・ルシリオン。
漆黒の外套は見るも無残に破れ、すでに外套としての機能を果たしていない。外套のフードが脱げて、テスタメント・ルシリオンの顔をさらけ出している。それは綺麗な銀髪だ。膝裏まで伸びている銀の長髪が風で踊っている。

「はぁはぁはぁ、ここまで弱まってしまっているのか私は・・・!」

漆黒のケルト十字“第四聖典”を支えに倒れこまないようにして、悔しげに顔を歪ませている。そんなテスタメント・ルシリオンを空から見下ろす始原プリンキピウム。彼女もまたテールアップだった赤い髪が解けていたり、エプロンドレスの所々が破れて柔らかそうな素肌を晒していたりとボロボロだが、まだまだ余力を残しているようだ。

「確認したよ。天秤はやっぱり弱くなってる。そりゃそうよね。時間的概念で言えば約1万8千年。そんな長期に亘ってテスタメントをやってんだもん。人間の精神が良く保ってるよ。人間の魂ですらそこまで保たないのにさ」

プリンキピウムが拍手する。称賛と馬鹿にしているのと半分の思いで。テスタメント・ルシリオンは両足に力を込め立ち上がり、プリンキピウムを睨みつける。黒き第四の座。それは“テスタメント”最強の証だ。いや今では、だった、が正しい。確かにテスタメント・ルシリオンは最強だった。しかしそれも過去のこと。

「まだ終わってないぞプリンキピウム。私は・・・私はまだ・・・戦えるッ!」

――光神の調停(コード・バルドル)――

地上のテスタメント・ルシリオンと天上のプリンキピウムの間に発生する蒼い光球。その光球を中心として2点で組み合わさり球体状となっている7つの円環が現れ、回転し始める。光球が徐々に大きくなっていき、円環の回転速度も上がっていく。ここでプリンキピウムが動く。真紅のカンタベリー十字“第七偽典”を振りかざし、光球と円環の破壊を行うために。
しかし、

殲滅粛清(ジャッジメント)!!」

テスタメント・ルシリオンの号令と同時に、直径10m程となった光球より全方位へと向けて特大砲撃が放たれ始めた。あらゆる方向へ断続的に放たれ続ける蒼の砲撃。まさに無差別な攻撃だ。プリンキピウムは接近を断念。位相空間転移も考えたが、再出現の際に運悪く射線上に出る可能性があるからだ。
地面に着弾した砲撃は、巨大なドーム状の衝撃波となって地上を蹂躙していく。テスタメント・ルシリオンは位相空間転移を実行。手を拱いているプリンキピウムの頭上へと移動した。再出現したと同時に“第四聖典”を振り下ろす。が、

「そんなフラフラで接近戦って馬鹿じゃないの?」

プリンキピウムが頭上に“第七偽典”を水平に掲げ、“第四聖典”の一撃を受け止めた。そこからは一瞬。“第四聖典”を捌いたプリンキピウムは、体勢を崩したテスタメント・ルシリオンを殴打。
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