暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Episode ZERO:
Vivere Est Militare
ANSUR0天秤の狭間で揺れし者〜Starting the Last TestamenT〜
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る時間は約0,00000001秒。大きな口を開け、テスタメント・グロリアの足元より出でる。テスタメント・グロリアの表情が驚きに染まる。その瞬間、

――In me transierunt/我によりて死する者は――

グラーティアに呑み込まれた。ひと思いにパクっと丸のみだった。何故グラーティアはテスタメント・グロリアの居場所が判ったのか。それはグラーティアの姿に関係している。狼だ。当然嗅覚に優れている。
グラーティアはテスタメント・グロリアと同じように地面を爆破した。だがそれは彼女のように敵を斃すためではなく、視界封じのためだ。これで決着かと思われた。しかし、

「よっこらしょ」

グラーティアの口が大きく開かれる。もちろんグラーティアの意思ではない。テスタメント・グロリアを護るように展開された球状の干渉防御結界。グラーティアは力を入れ、干渉防御ごとテスタメント・グロリアを噛み殺そうとするが、干渉が付加された牙でもなかなか突破できない。

「祈れ祈れ、逝き先が楽園であれと。願え願え、苦無く逝けるようにと」

テスタメント・グロリアは手にしている“第三聖典”を胸の前に掲げた。グラーティアの全身に悪寒が奔った。どうにかしようと首を大きく振り回す。しかし結界にがっちり牙が食い込んでいる所為で吐けない。
それだけではない。結界が徐々に大きくなっていっている。グラーティアはこの後に待ち構える結末を思い、顎に力を込め破壊に全力を注ぎ始める。テスタメント・グロリアの結界が歪み始める。

「クフフ。結構結構。もうしばらく頑張れば、口が裂けて真っ二つなんて結末は防げるかもね♪」

ここでテスタメント・グロリアが結界からすり抜け出てきた。彼女は「悔い改めよ(ペニテンツィアージテ)♪」と歌うように言いながら、グラーティアの四肢の付け根にある人面を“第三聖典”で破壊した。グラーティアが声にならぬ悲鳴を上げ、立っていられなくなったのかその場に伏せてしまった。

「クフフ。さよならグラーティア」

テスタメント・グロリアはグラーティアの首根っこに跨り、体いっぱいを使って頭を掴み一気に捻った。ボギッ!と嫌な音が響く。首をへし折った音だ。本来は下に位置する顎が空に向いている。180度捻られたグラーティアの頭部。テスタメント・グロリアはトドメを言わんばかりに“第三聖典”をグラーティアの首に振り下ろし、頭部と胴体を分断した。恩寵グラーティアの最期だ。無数の虹色の光粒子となり、グラーティアは消滅した。

「クフフ。契約執行完り――っとその前に、ルシリオンは大丈夫かな?」

テスタメント・グロリアはテスタメント・ルシリオンを心配し、位相空間転移で彼のとプリンキピウムの戦場へと向かった。

?―?―?―?―?―?

荒野に片膝をついている4
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