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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Episode ZERO:
Vivere Est Militare
ANSUR0天秤の狭間で揺れし者〜Starting the Last TestamenT〜
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レのある干渉攻撃を撃ってたじゃんっ」
「認めるのも癪だが、お前が強くなったんじゃないか? プリンキピウム」
天秤という者は、漆黒の
神父服
(
キャソック
)
を着ており、裾には幾何学模様の金の刺繍や金の装飾が施されて、チャラチャラと音を出している。キャソックと同様に漆黒のフード付きの
外套
(
マント
)
を羽織っていて、風が吹く度にはためいていた。
フードの奥にある顔は中性的な顔立ちをしていて、所見では性別を判断するのは難しいだろうが、声からして男であることが判る。切れ長の双眸は、右がラピスラズリ、左がルビーレッドというオッドアイ。彼の背には、サファイアブルーに光り輝く薄く細長いひし形の光翼が10枚あり、その10枚の光翼の間から12枚の蒼い光剣の剣翼が伸びている。
「・・・え? そうなのかな? ふ〜ん。ならいいんだけど。そんじゃさっさと死んじゃってよ。あたしより弱いんだったらさっ!」
天秤という男とプリンキピウムという少女が再び睨みあい対峙する。天秤はケルト十字型の錫杖“第四聖典”の先端を向け、
――
女神の陽光
(
コード・ソール
)
――
サファイアブルーに輝く火炎の砲撃を放った。対するプリンキピウムは、自らへと一直線に迫り来る炎熱砲撃ソールへと右掌を翳す。
――Adversa virtute repello/私は逆境を勇気によって跳ね返す――
プリンキピウムの前面に展開されたのは、干渉能力による不可視の障壁。干渉能力というのは、全ての物理現象に干渉する実数干渉と、理論などでは説明しえない幻想に干渉する虚数干渉の2つの総称だ。
天秤と呼ばれた男が放った炎熱砲撃は実数・虚数両方の干渉が付加されており、プリンキピウムはそれに対し、同様に実数・虚数両方の干渉防御を発動した。
その能力はまさしく神の奇跡。しかしその神の奇跡を2人の人間が扱った。いや、2人は正確には人間ではないのだ。確かに人間の姿をしているが。だがそれだけだ。人の姿をした何か。それが天秤とプリンキピウムだった。
「ほぉら、跳ね返しちゃうぞッ♪」
不可視の障壁に弾き返された砲撃ソールは、一直線に砲撃主である天秤へと返る。天秤は右手をソールへと翳す。するとソールは天秤の干渉能力によって、球体状の巨大な炎塊となった。すぐさま天秤は野球のバッターのように“第四聖典”を振りかぶり、炎塊となったソールへ向けて勢いよく振るった。衝突。炎塊は真っ直ぐプリンキピウムへと返って行った。
「面白いじゃんっ♪」
プリンキピウムの右手に赤い光が溢れて、すぐにある形へと集束する。赤い光は2m近い真紅のカンタベリー十字型の錫杖となった。プリンキピウムは天秤と同じようにカンタベリー十字を振りかぶり、炎塊を打ち返そうとした。
「
爆殺粛清
(
ジャッジメント
)
」
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