暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Episode ZERO:
Vivere Est Militare
ANSUR0天秤の狭間で揺れし者〜Starting the Last TestamenT〜
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VS?―?―?―?―?―?―?
界律の守護神VS霊長の審判者
?―?―?―?―?―?―?VS

無限に広がるは青く澄み渡る空。同様に広がるは生命の無い鉄錆色の荒野。地平線の彼方まで続く2つの領域。その天壌を翔けるのは、蒼と赤の2つの閃光。蒼い光の先を翔けるのは赤い光。軌道からして、蒼は赤を追いかけているようだ。
2つの光は空に2色の光の尾を残し、光の過ぎたところは幾何学模様の図形を描いている。とそこに、蒼の光が赤の光の追尾を止め、その場に停止。その直後、

――弓神の狩猟(コード・ウル)――

蒼の光から一条の蒼い光線が放たれる。その一条の光線は少し進んだ後、爆ぜて数百とも言える無数の光線となった。蒼い光線群は様々な軌道を取り、先を翔けている赤い光に殺到していく。赤い光は速度を緩めることなく、迫り来る光線群を避け続ける。

「ああもう! さっきからチマチマと面倒でうざったくてイライラする攻撃ばっかしてきてさぁ・・・ッ!」

蒼い閃光に追いかけられていた赤い光が急停止。赤い光が治まると、そこには10代前半くらいの少女が苛立った表情を浮かべていた。少女は自分を追いかけて来る光線群をチラリと見、「チッ」と舌打ち。小さくて可愛らしい白い両手を、お世辞にも大きいとは言えない胸の前で水を掬い上げるかのような形にする。その両手に溢れるのは水ではなく、赤い赤い光。少女は両手に溢れる赤い光を頭上へ向かって放物線上に放った。

――Qui parcit malis, nocet bonis/悪人を許す者は、善人に害を与える――

放たれた赤い閃光は曲線を描き、少女に迫ってくる蒼い光線群へ向かって行く。何度目か判らない閃光群同士の衝突。ガシャァンッ!とガラスが割れたかのような甲高い音が空に響き渡る。

「さっきからさぁ、()る気のない干渉攻撃ばっかしてきて何のつもり!?」

先を翔けていた少女――テールアップにされている赤い髪、黄金に輝くツリ目。蒼いロングエプロンドレス。エプロンの腰紐を留めるのは大きなリボン。目立つ真っ赤なロリータシューズの足の甲で留めるストラップには薔薇を模った装飾が付いている――は先程から自分に攻撃を繰り返す者へと振り返り、人差し指をビシッと突きつける。

「あたしを馬鹿にしてんのっ!? この霊長の審判者(ユースティティア)のナンバーTたる始原プリンキピウムをさ! そうだって言うなら許さないんだからね天秤!」

プリンキピウムと名乗った少女は両手を腰に当て仁王立ちとなり、彼女から40mほど距離を開けた地点で佇む者へと怒鳴り散らす。プリンキピウムに怒鳴られた天秤と呼ばれた者は「勘違いをするな」と返し、左手に持つ2mほどの漆黒に輝くケルト十字を肩に担いだ。

「勘違い? 天秤、昔のあんたならもっとキ
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