狂った人形編
愛深き故に命奪う男は……
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俺は必死に痛みに耐えていた。体は離れているのに痛みは感じる。
そこに、
あの男が歩み寄ってきた。
俺に止めを刺そうってかぁ……
男は口を開いた。
「すまんな、」
「な、なにが……」
なぜ俺に謝る。普通ここで悪いのは俺のはずだ。
「かっこよく倒そうと思ったがやっぱやめた。」
「グギッ……てめぇ……」
なんだ、そういう事かよ……最後までおもしれェ奴だ。
「償いはしっかりするんだな。」
そう言って男は足を上げる。その動作がなぜだかゆっくりに見えた。
そして、俺は何かを見た。
「聖奈、好きだ! 結婚しよう!」
俺は自分の家に恋人の聖奈を招きプロポーズをしていた。ハハ、この時の俺必死だな……
そしてそれには泣きながら答えてくれたはずだ。
「○○さん……私、嬉しい……」
ほら見ろぉ、ここまでは幸せだったはずだ。
しかし、
「全員動くな!!」
「よし、あの海上要塞に突っ込むぞ!!」
結婚式を前の旅行で
乗っていた飛行機がジャックされ俺はその巻き添えで死んでしまった。
彼女とは別々の便で行ったため彼女は助かった。
彼女が助かってよかったという思いがあったが、彼女に会いたいという未練がとても大きかった。
目が覚めると変な世界があった。
どこを見ても人形、人形だけの世界だった。
そして俺もやけに人間に似ている人形になっていた。俺はここが死後の世界だと悟りここで生きていくことを決意した。しかし、
俺は気持ち悪かった。
見た目はどう見ても人間、赤い髪、赤い瞳、笑うことしかない表情
俺は一人だった。周りの人形からは人間の形をした化物と言われ蔑まれていた。その上彼女に会いたかった。何かあったら相談に乗ってくれた、守ってくれた、だけどその彼女はもう目の前にはいない。愛する彼女はもう……
その時俺の両手は涙で濡れていた。
ある日のこと俺のもとに男が訪れた。名前はルシファー、日本ではルシフェルと呼ばれている堕天使らしい。
ルシフェルは言った。
「君が再び肉体を取り戻して彼女に会える方法を教えてあげるよ。」
俺はその言葉にひどく反応した。そしてルシフェルについて行くことにした。
その方法とはとても厳しいものだった。人間の命を千奪うこと、
俺は少し否定したがルシフェルは言った。
「大丈夫だ。そいつを殺しても誰も悲しまない。そいつはいなかったことにされるから、誰かの子供だったらその親はそんな子を産んだ覚えがなくなる。誰かの妻ならばその夫はそんな女と結婚した覚えがなくなる。だから安心してくれていい。」
最初はそういう問題なのかと思ったが、することを決意した。
『グアァ……』
俺は初めて人を殺した。そして気がついた。俺は強い。誰も俺を止められない。聖奈に会えるの
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