狂った人形編
天使と堕天使
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フェル様が?」
「様? まさか、天お前……」
天は最初なんのことかわからないのか首をかしげるが、そのあと何かを閃いたような表情をする。 ……可愛い。
「ち、違うよ。私は普通の天使だよ。ルシフェル様は堕天使とは言え私より上級の天使だから、聞いたことない? 天使の理ってやつ、」
「あー、聞いたことはある。」
下級天使はどうあがいても上級天使に逆らえないというアレか、なのに神には逆らえる。訳がわからん。
「ルシフェル様は八尾君も知ってると思うけど堕天使の筆頭、言わばリーダーだよ。」
「強いのか?」
「生身の喧嘩だと天使は基本的には弱いけど不思議な力を持ってる。だから強い……のかな?」
天から喧嘩というワードが出たのに少し驚いた。
でも今はそいつはいい、俺が聞きたいのは……
「じゃあ狂った人形を知ってるか?」
「もちろん。私たち天使は世界の監視と未練で地上に残った魂の成仏だからね。狂った人形は成仏するのに手こずってると聞いたから、有名だと思うよ。」
あれも魂が人形に宿ってできた産物ってのは聞いた。なら……
「じゃあ、そいつはどんな人間だったんだ? 普通のいいやつとは聞いたが、」
「それも有名だよ。彼は珍しいケースだから。」
ひょっとしてウチの居候の中で一番役に立つのって天じゃないか? 物知りだし、癒されるし、
「彼には愛する人がいた。そしてその人と結婚をすることになった。彼は幸せだった。だけど、」
「だけど?」
「結婚する前に二人は旅行に行ったんだ。アメリカだよ。二人の予定を考えて別々の時間に行ったんだけど、彼の乗った飛行機がジャックされてそのまま、海に墜落、ついに彼女とは式を挙げれず死んでしまった。」
「そんなことが……」
「それで彼の魂は地上に残った。そこまでは普通なんだけど……」
「その魂が人形に乗り移ってしまったと、」
「まあ、人形に乗り移るケースもあるんだ。普通だったら成仏させるのに手こずるけど彼のような善人は大丈夫、だった筈なんだよ。」
「その未練が大きすぎた、とか?」
「その通り、しかもその人形の未練を晴らしてやるとルシフェル様が近づいた。」
「でもなぜ、殺戮を?」
「実は肉体を無くした者が再び肉体を手に入れる方法があるんだ。」
「それが、殺戮か?」
「詳しく言うと、千人の肉体を繋げた体で復活することができるらしいよ。」
解説するように言うがその両目には涙が溜まっていた。自分で言っといて怖くなったのだろう。
「泣くなよ……ったく、」
「ん……ありがとう、」
目を細めながら天が言う。
「で、の人形はどんくらい強いんだ?」
天がへ? と声を出す。確かにいきなり過ぎたな……
「調査票によるとすばし
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