It never rains but it pours(降れば必ずどしゃ降り)
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ここがヒーローアカデミーか……。
この世界に転生してから十年目。十五歳になって中学校を卒業した俺は、あの「TIGER&BUNNY」にあったヒーローを育成する学校「ヒーローアカデミー」に来ていた。
プロのヒーローになるには、ヒーロー協会の体力テストや正義感テストに合格するだけでいい。だから一定以上の実力を持っている者ならば、割と簡単にプロのヒーローになれる。
しかしヒーローになるのは簡単でも、その活動は非常に危険なものが多い。そのためヒーロー協会は、ヒーローを目指す人間に知識と戦闘技術を教授し、凶悪な犯罪者や怪人に対向できるヒーローを育成する「学校」を創ったのだった。
俺の目の前にあるヒーローアカデミーもその一つで、ここは「TIGER&BUNNY」の設定と同じく生徒をネクスト能力者のみに限定している学校である。
五年前にネクスト能力に目覚めた俺は、その時から中学校を卒業したらヒーローアカデミーに入学する事を決めていた。いくらネクスト能力者になれたとはいえ、独学では限界があると感じたからだ。
……まあ、アニメで見た学校に実際に通ってみたかった、という考えもあったが。
「砕くん。どうしたんですか。ボーッとして? ほら早く中に入りましょうよ♪」
俺がヒーローアカデミーの校舎を眺めていると、俺と同じくヒーローアカデミーに入学することにしたキャスターが腕を絡めてきた。何て言うか最近の彼女、姿だけでなく言動まで「Fate/EXTRA」のキャスターに似てきていないか? やっぱり本人だからか? ……っと、危ない。
「むっ?」
危なかった。キャスターに腕を絡めとられて歩いていたら、いつの間にか前を歩いてきた女の子にぶつかりそうになった。……あの、大丈夫ですか?
「うむ、大事ない。気をつけて歩くのだぞ?」
…………………………………!? は、はい、スミマセンデシタ……。
「うむ。それではな」
……今の女の子って、俺の見間違えじゃなかったら「Fate/EXTRA」のセイバー(赤)だよな?
キャスターがいるんだからセイバーもいてもおかしくはないけど、何でこの学校にいるの? もしかしてこの学校の生徒なの?
「……………砕くん? 今の女って、知り合いですか?」
俺がセイバーの後ろ姿を見ていたら、不意にキャスターが聞いてきた。……というか顔が近すぎない? あと目からハイライトが消えていてとっても怖いですよキャスターさん?
「君達? 校門の前で何をしているんだ?」
「あの……。急がないと遅刻しますよ?」
何故か怒っているキャスターにどう説明したらいいかと考えていると、後ろから二人の男の声が聞こえてきたので振り返ると……、
「Fate/EXT
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