第十八話 〜ひとときの休息 後編【暁 Ver】
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しながら種明かしをする。
「今のケースで言えば……性別を意図的に隠しました。そして、会話のそこかしこに『女の子』であるような要素を散りばめながら話す。まだ、6歳ですから。女の子のような顔立ちをしていたっておかしくはないですよね。ぬいぐるみが好きなことも」
そう言いながらお兄さんは。恐らくモニタの前で渋い顔をしていたであろうあたしを見て笑った。
──── 再生完了。
──── 部分リピート。
『文章上の仕掛けによって読者をミスリードさせるんです』
『嘘をついてはいけないこと』
──── 上記の文章を保管。ジェイル・スカリエッティとの会話を再生。
『ご名答』
『名乗る意味などないと思うが……いや、名乗ろうか。ジェイル・スカリエッティ。この名に聞き覚えは?』
『訂正してくれたまえ。正確には容疑者だよ』
『なに。ちょっとしたゲームに付き合って貰おう』
『そのバングルはそれとリンクしていてね。そのバングルを付けて誰かに走って貰おう。あぁ、『飛ぶ』のはダメだよ。バングルが一定の魔力を検知すると起爆する。走る速度が一定以下になっても起爆する。こちらはそれほど厳しい速度ではないよ。百メートルを二十秒前後で走るくらいに保てばいい。因みに理解しているとは思うが、そこから動かしてもダメだよ』
『その立方体……つまり爆弾を無効化する為のキーワードを入力するための物だ。パスワードはあるよ。嘘じゃない。それを探して貰おう。そうだな、ヒントくらいは出そうか……今まで交わした私との会話を思い出してみたまえ。見事解除出来たら……ふむ。そうだね、フェイト嬢? 知っているだろうが『プロジェクトF』の研究は形を変え、未だ続けられている。研究施設の情報を提供しよう』
『その通り。交代で走り続けても構わんがね』
『一般人を避難させるなど考えないことだ。こちらで起爆させてもいいのだよ? オーディエンスがいないとつまらないだろう。人払いをしたのは正解だったね。パニックにならずに済む。流石六課の部隊長だ』
『まだ、そんなことを言っているのかね? いい加減腹をくくりたまえ、指揮官殿。ゲーム開始は……十五分後だ』
──── 再生完了。
──── 部分リピート。
『今まで交わした私との会話を思い出してみたまえ』
──── この文章が確認出来る以降の会話を破棄。
──── パスワードとして可能性が高い単語を検索……終了。特定不可。
どうする。絞ったところで特定は難しい。単語なのか文章なのかすらわからない。文章の中のたった一文字の可能性だってあるんだ。そもそも、ヒントがヒントとして機能していない。余りにも漠然としすぎている。最初からヒントなど意味が無いと言っているよう
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