第十七話 〜ひとときの休息 前編【暁 Ver】
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として、八神部隊長とフェイトさんは管理局が発行している機関誌やマスコミに顔を出したこともある。誰かに気付かれるのは想定内ではあったが、その内容は一般人がアイドルにサインを強請るようなものでは無かった──── おかしな物が置いてある。男性はそう言った。
「フェイトちゃん、何かわかるか?」
「解析してみないとわからないけど……魔力を感じるね」
先ほどの男性はキャンプ場の管理人だった。キャンプ場のライフラインを管理する制御室を点検していたところこれを見つけたらしい。何の飾り気もない真っ黒な立方体。あたしが薄ら寒い物を感じていた時、フェイトさんが幾分緊張を孕んだ声を上げた。
「見て」
解析を進めていたフェイトさんの端末スクリーンに映し出された物は、立方体の内部構造。管理局が採用している物とは明らかに仕様が違う大型のカートリッジが十本。規定値ぎりぎりまで魔力が詰められているらしい。それとは別に中型が一本。これは……
「構造から考えて十本のカートリッジへ強制的に魔力を送り込む為の物だと思う」
規定値を超えて圧縮された魔力を送り込まれたカートリッジはどうなる? オーバーロード。つまり、『爆発』する。標準規格のカートリッジであれば、安全装置があるが……
「え? ティア、ど、どういうこと?」
──── 爆弾だ。
『ご名答』
立方体から唐突に発せられる男の声。聞き覚えは……ない。
「……誰や」
「名乗る意味などないと思うが……いや、名乗ろうか。ジェイル・スカリエッティ。この名に聞き覚えは?」
「スカリエッティ!」
一瞬で激高しかけたフェイトさんを八神部隊長が手で制す。
「驚いたわ……ほんまに本人かはわからへんけど。広域指名手配されとる次元犯罪者の名前を騙るメリットもないやろうからな。本人として話をするで? ……何が目的や」
『訂正してくれたまえ。正確には容疑者だよ。なに、ちょっとしたゲームに付き合って貰おう』
男──── ジェイル・スカリエッティがそう言うと、立方体の側面からコンソールとタッチパネルが。片側からはリングが転がり出た。
『そのバングルはそれとリンクしていてね。そのバングルを付けて誰かに走って貰おう。あぁ、『飛ぶ』のはダメだよ。バングルが一定の魔力を検知すると起爆する。走る速度が一定以下になっても起爆する。こちらはそれほど厳しい速度ではないよ。百メートルを二十秒前後で走るくらいに保てばいい。因みに理解しているとは思うが、そこから動かしてもダメだよ』
「このコンソールはなんや」
『その立方体……つまり爆弾を無効化する為のキーワードを入力するための物だ。パスワードはある
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