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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第56話 10年前
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ますよ。坊ちゃんが大好きなネットゲームもそうですし、医療でもそう、それに果ては宇宙開発にいたるまで。全て分野において分かれているだけで 制御は到底人間の机上の論だけじゃ追いつきませんからな…… 色々な事で制御をするのにコンピュータを使用するでしょう?」
「あ……確かにそうだけど……。どんな公共機関でも……コンピュータ置いてるし……。もう、それ無しじゃ生活にも影響が……んん? じゃ、僕のほんと好きなの根源は、分野……の前に、コンピュータが好きって事? 所謂、機械好きって事なのかな??」
そう言いながら目の前のコンピュータを触った。いつもの感触だ。
冷たいけど、熱もあり、そして鼓動も感じられる。
確かに……コンピュータと共に成長をしてきたとも言えるから、何処か納得することが出来た。
「ほっほっほ。そうなのかもしれませんな? コンピュータ上で仕事をする以上は好きになるのかもしれませんよ?」
綺堂はそう言って笑っていた。リュウキが愛しい様にコンピュータを触るのが、微笑ましかったようだ。そして、その表情は 自分に向けてくれているものと同じものだから。
「ん〜〜。ん? ……でも、僕は争いは嫌いだよ爺や!? その……戦争っ……とか、そんなの嫌いだもん。そんなのでも、コンピュータを使ったりしてるんでしょ? えっと……みさいる、とかさ?」
「ああ……確かにそうですね、そのとおりでございます。ですが、その辺りは大丈夫でしょう?」
そう言うと、綺堂は胸を張りつつ、リュウキの肩を叩く。
「坊ちゃんの傍には、私もおりますし、坊ちゃんも本当に嫌っておれば見向きもしませんよ」
そう言い終えると、肩を叩いていた手を、リュウキの頭に乗せて撫でた。
「あ……ははは。そうだね。うん、きっとそうだよね!」
リュウキは笑顔になっていた、
そして、再びメッセージが届く。
「あれっ……サニーからだ。どうしたんだろう……、今日は特に何もなかったと思うけど……、あ、仕事の事じゃなくって、ゲームとかかな?」
リュウキは再びPCの画面に視線を移した。
何気なく開いたメッセージ。その行為自体は、いつもと変わらない。
だけど、全然違うのは、そこに書かれていた内容だ。
綺堂は、ゲームの事であれば、とリュウキから離れていた為、見逃してしまっていた。
全ての悪夢の始まりを……。
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