第10話:オリエンテーションキャンプ(3)
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れられても入りたくない、男風呂で入れるとマセた主張をしたからな。身体は子どもだけど心は大人だから、ここで社会的な倫理観を崩壊させられたら将来変な趣向を持つかもしれなかったし。
『そうい…ともちゃん、今日も遠野……付き添っ……ったね』
『ね〜、昼間も……撫でても……し。やっぱ……さん、遠野君と……てるのかな?』
呼ばれた気がして、俺は天井を見上げた。俺のことでも話しているのか?
『川田さ……今度詰め寄っ……ようかな?遠……もいいけ……』
『……とも……ん…顔に出……分かり……からね〜』
何だ?何を話しているんだ?知子の話題も出ているようだけど、 昨日の足を痛めたやつの話か?駄目だ、反響していたりこっちの声でかき消されて良く聞こえない。
『ん〜、でも……、遠野……塚原さん…一緒にい……よく見…よ?』
『…原さん、…のこと…きなの?』
『ごめ……さい、期待……るようだけど、拓君に聞……ら、きっと「あいつ……腐れ縁だよ」と…思うわ』
『え〜、うっそ……』
『遠野君と……に行ったり……んでしょ?』
響も一緒にいるのか、多分この声はそうだとおもうけど。そうなると会話の内容が気になってくるぞ。壁に耳を当てれば分かるかもしれないが、そんな変態的なことは俺には出来ん。校舎にエロ本隠したり、エロ本を品評するくらいのオープンな紳士ではあるが、変質的な行為に手を染めるほど俺は落ちてはいないぜ。橘みたいな変態紳士には流石になれない。
『……、怪しい……ぁ。でも遠野君……変わって……じゃない?』
『そうね、何か英語の……が入った本読んでる……るし、………近寄りがたい気……。顔も言……普通よ…ちょっと良い……だし』
良くは聞こえんが、なんか俺の悪口を言ってくれているのかね?俺は長風呂のしていて少しのぼせかけている。ああ、少しぼんやりしてきた。
『…れは違う……拓君は確かに変わ……ところもあるし、話しにく……思うかもしれないわね。でも、後輩の面倒見…いし、好きなこと……一生懸命、そ……凄く優しいし…』
『へぇ〜!…原さん……遠野君のこと良く知っ……んだね』
『それ…い好き……こと…!』
『だ、だから、それ……って…!』
(さ、さすがにこれ以上は限界だ…)
会話よりも身体の熱を冷ますべく、風呂から出ることを決めた。更衣室と浴場を隔てる取っ手に手をかけてから、後ろを振り返ると天井から女子風呂を覗こうと肩車を決行するよからぬ輩共がいた。思春期の男児が一度はやってみたいと思う浪漫であろう。保健体育の教科書だけでは満足できない年頃だし。若者よ、大いにやるが良い!変態の罵りを受けて、蔑まれる視線を浴びて快感を感じる真性のMか覚悟のある人間ならな。そ
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