暁 〜小説投稿サイト〜
特殊陸戦部隊長の平凡な日々
第3話:ハイジャック事件−3
[11/12]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
顔を覗き込む。

「わたしは戦技教導官だから若い子たちと接する機会が多いんだけどね、
 ゲオルグくんのところって若い陸戦魔導師にとってはあこがれの部署なんだよ」

「そうか? 苦労ばっかり多いとこだぞ」

ゲオルグが肩をすくめて苦笑すると、なのはもそれに合わせるように苦笑する。

「そうかもね。 でも、特殊陸戦部隊のメンバーになるってことは
 自分の力を認められるってことだよね。
 それに、特殊陸戦部隊はたくさんのテロ事件を解決に導いてるし、
 陸戦部隊の最精鋭だって局内では認識されてるもん。
 若い子たちがあこがれるのも判るし、その指揮官であるゲオルグくんが
 威厳ある人物であってほしいっていうのも判ると思うの」

なのはの言葉にゲオルグは呆れたような顔を見せる。

「んなの知ったことか」

ついでゲオルグは両手を広げる。

「と言いたいとこだけど、若い連中の夢を大事にしてやるのも俺らの役目・・・か。
 なのはの言うことは判ったよ。 以後気をつけるよ」

ゲオルグの言葉になのははニコッと笑う。

「ありがと。 でもね・・・」

なのはがゲオルグの頭を抱き寄せる。

「わたしが好きになったのは、シュミット2佐じゃなくてゲオルグくんだからね」

「なのは・・・」

なのはがゲオルグの頭を抱き寄せた結果、なのはの胸に顔を押し付ける格好になった
ゲオルグがくぐもった声をあげる。

「ん?」

なのはが首を傾げると、ゲオルグの手がなのはの肩を押す。
なのはの胸から顔を離したゲオルグがなのはの顔を見上げる。

「息苦しい!」

顔を赤くしたゲオルグはなのはに向かってそう言うと、肩を上下させて
少し弾んだ呼吸を落ちつかせる。
きょとんとしてゲオルグの様子を見下ろしていたなのはが不意に噴き出した。

「にゃははは・・・、ゴメンね」

「ゴメンね、じゃねえよ。 死ぬとこだったよ」

「でも、好きでしょ? わたしのおっぱい」

なのはは妖艶な笑みを浮かべると、長い髪をまとめていたゴムを引き抜く。

「・・・そりゃあ好きですとも」

ゲオルグはニヤリと笑い、なのはの頬に手を添える。
そして首の後にその手を滑らせると、なのはの顔を自分の方に引き寄せた。
目を閉じ、2人の唇が接触しようとした瞬間、リビングの扉が開く音がした。

その瞬間、なのははゲオルグの膝の上から飛び降り、もと座っていた
ソファのゲオルグの隣に腰を下ろす。

「ママー、パパー。 わたし、もう寝るねー」

そう言いながらリビングに入ってくるヴィヴィオ。
彼女の目が両親を捕えた時には、2人はソファの上に並んで座っていた。

「うん。 おやすみ」

「おやすみ」

なのは
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ