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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第188話】
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をあげ、ネックブリーカーをかけながら四人組は駐車場へと立ち去っていった。

 ……でも、何で急に諦めたのだろうか?


「皆様、大丈夫でしたか? ……すみません、少し道を間違えてしまって……」

「うむ、私達は大丈夫だ。 ……セシリア、助かったぞ」


 最初にそう言ったのはラウラだった。

 ……助かったのは、詰め寄ろうとしたナンパ男その1かもしれないのは内緒。


「……助かったよ、セシリア。 僕達困っちゃってて――」

「うふふ、間に合ってよかったですわ」


 シャルのお礼に、笑顔で応えたセシリア。


「なんにしてもさ、まさかナンパされるとは思わなかったわよ。 ……け、経験がない訳じゃないわよ? あんなしつこいのが初めてって意味で――」

「そうですわね。 ……ですから、怒らせるよりはああいう言い方をすると案外納得するのではと思いまして――昔、わたくしのお母様が言ってましたもの。 男の方は単純と――ね」


 鈴に対して、ウインクするセシリアのその仕草は、不覚にも私もトクンッと心臓が跳ね上がった。


「……そうなんだ。 でも、助けてくれたのはセシリアだから。 ……もう少し遅かったら、多分お兄ちゃん、並んだ苦労を捨てて介入してた頃だもん」


 そう言ってお兄ちゃんを見ると、やっと前売り券を買ったのか駆け足気味でやって来た。


「わ、悪い皆! 待たせた上にあんな輩のナンパ――」

「もぅ! お兄ちゃんが飛び出してこないかの方が心配だったんだよ、私は? 彼処で飛び出したら……並んだ苦労が水の泡だし、お兄ちゃん無しで遊ばないといけなかったんだからね!?」

「うぉっ……悪い。 ――セシリア、ありがとな? 大丈夫か……?」


 そう言ったお兄ちゃんは、セシリアを見るとその頭を帽子越しに撫でた。


「うふふ、わたくしはセシリア・オルコットですわよ? オルコット家当主なのですから――」

「そうか。 ……だからって、無理するな。 怖いときは俺に言え……」


 お兄ちゃんが返事をすると直ぐに耳打ちをし、何かをセシリアに言ったのだけど私の耳には届かなかった。

 ただ……お兄ちゃんがセシリアの事を本気で心配してるのがよくわかる。

 ……お兄ちゃんの表情が、昔私を心配した時と同じ表情をしていたからだ。

 ……ちょっと、複雑な気持ちになったのは何でだろう。

 時折、ちくんと心臓に痛みが走る様なこの感じ……。

 考えても答えが出ない、まるで底無し沼にはまった様な感じだ――。

 そんな考えを無理矢理払拭する様に頭を振ると、私はお兄ちゃんの腕に抱きつく。

 驚いた表情のお兄ちゃんを見上げながら私は――。


「お兄ち
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