第7話:女難な新生活
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性を考えながら飛羽の目を見る。するとこいつは頬が赤くなって・・・(いるのか?)
「私に惚れたな」
「お前は一体何を言っているんだ」
「私への熱い眼差しが何よりの証拠」
「お前という疑惑の種に対する、な」
「私を捨てるのね」
「拾った覚えはないぞ」
「・・・・」「・・・」「・・」「・・」
微笑を浮かべたままの飛羽のボケた発言に、俺はツッコミを入れる。コイツの場合は、真面目に答えるよりも適当にツッコミと毒を入れて返した方が良さそうだ。
「あっはっはっは!いいねいいね、アンタ。思ったとおりの面白い奴だよ!」
「私達の目に、狂いはなかった」
隣で俺と飛羽のやりとりを見ていた夕月が、途端に笑い出して俺の肩をバンバン力強く叩いてきた。結構な力が入っているせいか、叩かれた部分はそこそこ痛い。飛羽も何か自分の中で納得しているかのように、うんうんと首を動かしていた。
「で、夕月さんと飛羽さんは俺に何のようなの?」
「おおっと、話が逸れてしまったね。じゃあ、本題に入るよ」
「ここ、重要」
夕月はコホン、と咳払いをして真面目な顔になった。
「あたし達は茶道部に来年から入学予定なんだけど、先輩方から聞くにどうも男子の入部希望者がいないらしいんだ。部内は女子部員ばかりで、力仕事は大変。そこで、あんたみたいに運動でも実績を挙げた面白い奴が入ってくれれば今年は一人でも十分だろ?だから、アンタをこうして勧誘しにきたわけ。」
「一人で数人お得」
つまりは、俺を今年の男子の新入部員として力仕事全般をやらせる魂胆か。女子生徒の花園という背景は興味深いものがあるが、やはり俺は水泳部に入りたいし試合にも参加していきたい。
「悪いが、お断りする。俺は今までやってきた水泳が好きだし、これから先の人生も水泳をやっていきたい。だから水泳部に入るため、茶道部に入部することは出来ない」
と、俺は正直に自分の考えを二人に伝える。しかし、二人はそんな答えは読んでいたさとばかりに自信満々であった。
「別に水泳部に入るな、とは言ってないさ。掛け持ち、という選択があるじゃないか!」
「へ?部活の掛け持ち?そんな制度あるのか?」
「校内の規則の部活動の重複を認める記述はないよ。確かにアンタは水泳をやっている方が向いてそうだし、こっちの茶道部を優先して頑張るなんてことは認めないはずだとは思ったよ。だからさ、時々でいいからさ、うちの部を盛り上げたり手伝ってくれたりしてくれよ」
「かよわい女の子に、救いの手を」
掛け持ち、か。でも掛け持ちということは集中することが二つになって、気の入れ方が中途半端を意味することになるし、それは両方の部活に悪いと思うんだ。だからこの場できっち
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