第7話:女難な新生活
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に言って入部届けを書いて提出した。これで来週から水泳部として公式に練習に行けるし試合に出ることができる。そう思うとワクワクが止まらないな、俺も未知を楽しんでいる口か。あの先輩達と楽しくこの3年間を過ごしてやるぜ!心の中で決心を固めた俺は、教室に掛けてある時計の針を読む。8時44分、おっとそろそろ先生がくるな。
始業のベルがなり、教室の中が慌しくなり、各々が席に着く。壮年に入ったくらいの俺達のクラスの担任が教室に入り、点呼を取る。そのあと朝のホームルームが始まり、業務連絡のようなことが行われた。
………
今日の授業も終わった。3限目の数学では、マイナスの掛け算や足し算について先生が教えていたが、マイナスとマイナスを掛けると何故プラスになるのか分からない人間が続出した。何故マイナスとマイナスを掛けるとプラスになるんですか、という質問は当然出たが、先生はそういうものです、と濁して答えた。そんな先生に代わって俺が先生の代わりに、「1×1=1です。2−1も1です。つまり(2−1)×(2−1)は1×1と同じ式になりますから答えは1です。そこで、分配法則とこの本に書いてある因数分解を用いて、2×2+(−1)×2+2×(−1)×(−1)=1となります。そこで、2×(−1)=−2になるから……」と説明していくと、先生は口をポカーンと空け、生徒達からはおおっ、と歓声を得ることになった。…先生に目をつけられたかな、なんか凄い剣幕で俺を見てきたし。立場潰しちゃったのは拙かった…。
帰りのホームルームが終わったあと、いつものように響や知子が来るのを待つため、教室で本でも読もうと机の中の本を取り出そうとした。その時、前にセーラー服を着た二人の女生徒の気配に気がついた。知子と響か?と、そう思って見上げたら全く違う二人がそこにいた。赤みを帯びた髪と丸いメガネをしており、美人の部類には入るが目元がキツイ印象を受ける生徒と、ロングの黒髪に、こちらも美人ではあるがどこかミステリアスな雰囲気を醸し出して近づきにくい生徒。名札には、「夕月瑠璃子」「飛羽愛歌」と書いてあり、「ああ…るっこ先輩にまなか先輩か」、と端的に感想をぼそっと漏らし、再び本を読もうとしていた。
「おいおい、ちょいと待ちなよ。私達、アンタに話があるんだよ!」
「ご指名入りまーす」
「…なんだ?用なら手短に頼むよ」
俺は、机の上に置いて放置された本「ガロア理論」を開いて読み始めた。証明もしないといけないから集中させてくれよ。飛羽と夕月の二人は、俺のそんな様子を見て顔を合わせていた。が、原作通りの強引さを持って、証明を綴っていた俺の手を掴んで止める。
「まぁまぁまぁ、待ちなって。悪いようにはしないからさ!」
「アフターサービス、同伴も可」
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