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東方攻勢録
第三話
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と急にしゃべらなくなってしまった。


「……紫?」

「……かえない」

「え?」

「スキマが……使えない」


手を震わせながら、紫はそう言った。


「はあ? 何言って……」

「使えない……というよりかは制限されてる……に近いのかしら」


紫はそう言うと、手のひらサイズのスキマを展開させていた。

それを見たいた永琳は、ふと何かに気づいたようにハッと目を見開くと、ゆっくりと目を閉じて何かを考え始めていた。


「まったく、じゃあ私の能力でなんとかして……」


そう言いながら輝夜は何かをしようとするそぶりを見せる。


「……あ……れ?」


しかし、自身の異変に気付いたのか、冷や汗を出しながら動きを止めてしまった。


「輝夜……」

「なんで……どうして……」


理由もわからず呆気にとられる輝夜。そんな中、ふと目を開けた永琳が、急に口を開いた。


「霊夢……一度飛んでもらえる?」

「え?」

「いいから」


真剣な目つきをしたままそう言った永琳におされ、霊夢はしぶしぶ飛び上がろうとする。

だが、二十cmくらい浮き上がったところで、その体はピタリと止まってしまった。


「え……あれ?」

「やっぱり、全員こうなってるのね」

「どういうことよ永琳!」

「私もさっきまでわかっていたはずの強力な薬の調合方法が……今になってわかりません」

「はぁ? なんで私達の能力が消えるような……こと……」


そう言いかけた霊夢も、ついに何かに気付いたようだった。






「簡単な話……今この手錠によって、私達の能力は拘束されてる」

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