最終審査会特訓・佳川涼介の場合
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き
にアバウトなことしかわからない。
それも正体不明の『声』に教えてもらったこと。
1000年前になにがあったのか、自分は何をしていたのか、そういったことは一切合切知らない。
ただ時々思い出す、というよりは脳内を掠めるようにして感じるのは”悲しみ”や”絶望”といった負の感覚だ。
でもそれ以降は何の感情も沸かない。何も思い出せない。
だから何故自分が守護神になるよう勧められたのかも、何故自分に妙な力があるのかも、何故今涼介に握らせている巨大な大剣を自分が振り回せるのかも、わからない。
「…お前わからないことだらけなのか。」
「そうなんだよなぁ。だから守護神になったのも、二つ返事で行かなきゃならないっていう他にも、自分探しのためになった、ってのが一番正しいのかもしれない。だけど守護神になったからにはオレはお前の盾にもなるし力にもなるからな!」
丁度自分と同じ年くらいなのだろうか。
笑顔はとても爽やかな青年だ。
自分がわからない。名前だけで彷徨う。
それは一体どういう感覚なのだろう。
いつの間にか死んでいて、名前以外の情報もなく、漂って行き着いた先は守護神という重大な責務を負った仕事。
「…俺には無理だな…」
知らず知らずの内に涼介は呟いていた。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ