外れた世界へ
二章 「旅立ち」
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「その結果、お前はさっき死ぬ筈だった。この世界に居ても、どうせ死ぬ。私なら、死なずに正義を貫き続ける道を選ぶ方が賢明だと思うがな」
「俺がやってきた行動の結果なんだ。こうなるかもしれないって事も分かった上でな」
死ぬのが当然の結末だと思っていたんだ。
救えなかった人達への贖罪だと。
俺一人の命で償える物じゃないってのは分かってるさ。
秘匿しなければならない力を振るった時に、覚悟は出来ていたんだから。
「楽に死ねると思うなよ、小僧。どうせ死ぬのなら死ぬまで戦え。お前が死ねば、誰がこれから皆を救うと言うのだ」
「………」
その一言で押し黙ってしまう。
柄にもないな、と苦笑するゼルレッチ。
「まぁ、難しく考えるな。お前が生きればこれからも救われる人は増える。そういう事だ」
難しく………か。
確かにそうかもしれないな。
人を助けるのに、どの世界もないか。
助けがあれば駆け付ける、それが正義の味方だ。
悩んでいても仕方がないよな。
死ぬ事は何時でも出来る。
この身体が動く内は、行動を止める訳にはいかない。
それに………。
「あんたに殺させるのも癪だしな。良いぜ……やってやろうじゃないか」
一人でも多くの人を救う、それはこの道を歩き続けると決めたときにアイツと誓ったのだから…
「なに、もとより殺すつもりはなかった。殺してしまっては面白くないだろう? ようは承諾を得るのが、事前か事後なだけだ」
なんて人だよ。
何も言わなかったら有無を言わさず飛ばされてたって事だろ?
死徒になったって理由も頷けるな。
「大師夫ー。準備終わりましたー」
遠坂がこちらに声をかけてくる。
なんと言うか、放っておいて悪かった。
「うむ、一応確認しておく。お前はその間に別れでも済ましておけ」
ゼルレッチは遠坂に返事をし、俺に一言そう言って陣の方に向かった。
途中で遠坂に何かを吹き込む。
はて、遠坂は知ってて陣を作ってたのか?
ゼルレッチが何かを言い終えると、こちらを目掛けて突撃してくる遠坂。
「ちょっと士郎! なに勝手に話を決めてるのよ!!」
知りませんよねー、やっぱり。
だって俺と一緒にゼルレッチと合流したのに、話をしてるの見てないし。
「悪い悪い。けど半分位は脅迫みたいな物だし、俺も色々考え過ぎてたみたいだったし。遠坂は反対か?」
「あのねぇ、あんたが決める事でしょう。 私がどうこう言う資格なんてないんじゃない?」
「だって、勝手に決めたー、って怒ってきたじゃないか」
なに言ってんだ遠坂、と付け加える。
「うっ……、それはそうね」
全く、しっかりしてるんだかしてないんだか。
いつも不思議に思えるよ。
「で、遠坂は反対なのか?」
「いいえ賛成ね。むしろそうしなかったら、無理
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