そして時を刻む夜は舞い降りた。
眠る子と語らう大人
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った少女は、綺羅の腕に眠る時夜の元まで赴き、そう部屋の主である男に答える。
「ふふっ、眠ってる姿も可愛いわね…綺羅、抱っこさせてもらってもいい?」
「はい、落さない様に気を付けて下さいね」
「解ってるわよ。うわ〜、相変わらず可愛いわ」
綺羅より時夜を預かり、抱き締めながら女性としてはどうなのか、その破顔させる少女。
黄色い音色をナルカナは上げる。正に天使の様だと、時夜の事をそう比喩ではなく言葉にする。
それには全面的に同意する凍夜であった。親バカと言われ様が、構わない。時夜は確かに可愛いのだ。
「お〜い、気持ちは解るが…お前、酷い顔になってるぞ?」
「失礼ね。でもいいじゃない、こんなに可愛いのだもの!」
「確かに可愛いのは解ります、ナルカナ様。ですが、頬擦りをされては時夜様が起きてしまいます」
そう告げて、頬擦りをするナルカナ。そしてそれを咎める綺羅。
女性というのは総じて可愛いものが好きなものらしい、咎めてはいても、綺羅もナルカナ同様、異口同音でそう口にする。
「それで、気になる事って言うのは?」
「ええ、そうね。そっちの方が重要ね…」
そう口にして、壊顔状態から一転。次の瞬間には真剣味を表情になるナルカナ。
「ここ最近、この出雲でほんの僅かにだけれど、上位と思われる永遠神剣の気配を感じるのよ」
そう、それはほんの僅かとも言える力の残滓。
それは同属である自身ですら、見落としてしまう程の微々たるものだ。
「……上位の、“永遠存在か”?」
険しい表情で問う凍夜。それにナルカナは、やんわりと頭を振る。
「その確認をする為に、此処に来たの。……この子よ」
「…時夜様がどうかしたのですか?」
「この子より、ほんの僅かに先程話した永遠神剣が干渉した痕跡があるのよ」
「……時夜に」
そうナルカナは宣言した。……上位の永遠神剣か。
それがどれ程のものか、身を持って知っている為に、下向きな声音で凍夜は呟いた。
5
夢を見ている、それはここ最近見る夢。
誰かが、何かが語り掛けて来る様なそんな夢。
現実に引っかかりがなく、思い出す事の出来ない夢を。
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