月光校庭のエクスカリバー
第32話
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バル心を燃やしている。
いつもの笑みを浮かべ見ていた祐斗だが、あるページで表情が変わった。
想定外の、有りえないものを見る目だ。
「どうした、祐斗?」
俺とイッセーは祐斗が食い入るように見ている写真を見る。
幼少期のイッセーともう一人、同い年くらいの子供が一緒に移っており、二人の後ろには剣が飾られていた。
「イッセー君、これに見覚えは?」
そうして指さすのは飾られている剣だ。
「いや子供のころだし、男の子の事は憶えてるが飾りの事までは」
「まさかこんなところで見ることになるなんて・・・」
そう呟く祐斗の目は憎悪に染まっている。
「これは聖剣だよ」
これが今回の出来事の始まりだった。
◇◆◇
カキィーン!
もうすぐ夕焼けに染まるであろう晴天の空に金属音と共に白いボールが打ち上がる。
「オーライオーライ」
パシッ!
その白いボールを掛け声と上げグローブで受け止めるイッセーの姿が見える。
「ナイスキャッチよ、イッセー」
金属バットを握る部長が笑顔で声をかけている。
現在俺たちオカルト研究部の面々は旧校舎裏の少し開けた場所にて野球をしている。
別にオカルト研究部から野球部に変わったわけじゃない。突如スポ魂に目覚めた部長が言い出しても違和感がないが。
理由は近々行われる駒王学園の行事の一つ『球技大会』の為だ。
名前の通り様々な球技を行うイベントであり、クラス対抗や学年別、男女別などがある。
その中に部活対抗戦があり、そのための練習だ。
ライザー戦以降、負けず嫌いに拍車が懸かった部長がこの手のイベントを見逃すはずがない。
ただ部活対抗で行われる競技が野球と決まっているわけじゃない。
競技は当日発表されることになっている。
そのため俺たちはめぼしい球技を片っ端から練習しているのだ。
おかげで最近は夜になるまで運動部の如くこの場所で練習をしている。
「さすがね、小猫。野球なら四番はあなたよ」
「・・・了解です」
見た目からは想像できないが、部一番の怪力の持ち主だ。当然と言える。
現にこのバッティング練習で森に消えたボールは数知れず。
ちなみに俺はピッチャーに抜擢されており壁相手に投球練習中だ。
「ナイスバッティング」
「・・・ありがとうございます」
「まぁ野球になるかは正直微妙だが」
「・・・どうしてですか?」
「両チームの人数がほぼ均等であるクラス対抗とかならあり得るが、バラバラな部活対抗じゃ選ばれにくいと思ってる」
「・・・そのための生徒会からのリサーバーなのでは?」
「そうだが。基本人数があまりにも多いと両チームの半分がリザーバーなんてことになる」
部員の少ないカルタ研究部と情報処理部が野球をしたら半分以上がリザー
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