アインクラッド編
探偵&助手、再始動
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を申し込んだらNPCだと対戦不可表示が出るけど……これも店の中じゃマナー違反だし、それにそれじゃ直接訪ねるのと一緒だよなぁ……」
「……そうだな」
適当に相槌をする。
こうなってしまえば、キリトが梃子でも動かない。無駄な抵抗を諦めたアスカはせめて突拍子もないような案がでないことを祈るばかりだ。
「…………そうだ! なぁ、アスカ。料理スキル上げてるなら、けっこうな頻度で食材を買い込むよな?」
「ちゃんと保存用アイテムの中に保管しておけば耐久値は減らないけど……よく使う食材はまぁ、そうだな。よく買いに行くよ」
「つまり、だ。プレイヤーが経営するレストランなら……一つの料理を作るのに必要な食材を食い尽くせば、料理を出せなくなるってことだ」
しかし、アスカの希望は華麗にへし折られた。
「まさか……」
「そのまさかだ。一つの料理を食べ続けて食材がなくなって料理が出なくなったらプレイヤーだとわかる」
自信満々に言うキリトが不覚にも可愛い、などと思いつつも、呆れが先行しているからか、溜息を吐き出しつつ言う。
「……レストランだと貯蓄している食材アイテムの量だってとんでもない量だろうし……そもそも、もしあのお店がNPC経営だったら延々と食べるハメになるぞ」
「その時はその時だな」
まるで無計画な計画だ。この間の《聖竜連合》ギルドホーム設立パーティーで料理を食べ過ぎて飽満感が消えず苦しんでいたことから、何も学んでいないらしい。《月夜の黒猫団》の男性陣共、クライン、エギル共にに「飯代が浮いたから問題ない!」と腹を押さえながらポジティブシンキングを炸裂させていたのはそう昔の事ではないはずなのだが。
「よし、そうと決まれば早めに。思い立ったが吉日ってやつだな」
「それだと別に今日中に行けばいいだけだな……」
昼間から行動不能になるのは避けたいアスカ。昼からは二人で一緒に仲良く楽しく……もとい真剣に迷宮区攻略をしようと提案するつもりなのだ。
「む、なんだよ、アスカも気になるんだろ? 言い始めたのそっちじゃないか」
「……それはそうなんだが……」
キリトの言う通り、気になっている。彼がプレイヤーかNPCか、判別できるなら是非とも、だが……別に方法があるのでは、と思わずにはいられない。
「仕方ない、行くか……」
しかし、キリトの突拍子もない提案に乗っかって一緒に付き合うことをかねてより楽しみにしていたアスカに断れるはずもない。
それに、二人きりの時間を減らすなんて以ての外だ、と増援を呼ぶ選択肢を頭に浮かべつつ口にしなかったアスカも大概だ。
探偵&助手コンビ――今度は役割がはっきりしているようだ――はカップの中身を飲み干すと未踏破ダンジョン
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