アインクラッド編
探偵&助手、再始動
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ば《神聖剣》の圧倒的防御力でボスを一人で相手にするのだから、頭も上がらない。
「そうか。……それを考えるとあの団長様をも唸らせた《アルゲードそば》は凄まじいな……」
「……単に料理が出て来るのが異常に遅くて、味が異常に微妙だっただけだろ」
五十層主街区にあるうさんくさい店のことを思い出し、アスカは眉を潜める。
「それでも、ボス攻略中ですら終始無言のヒースクリフを驚かせたんだぜ? 是非ともお次は更なる混沌を味わえる《アルゲード焼き》を……」
「次なんてない」
ばっさりとキリトの言葉を切り捨て、そしてとある疑問が浮かび、アスカは唐突に訊ねた。
「なぁ、キリト。俺、この前あのお店に行った時からずっと疑問に思うことがあるんだけど……」
「ん? なんだ?」
「……あの料理人って本当にNPCなのか?」
「はっ?」
間抜けな声を出し、目を点にするキリト。しかし、数秒後には質問の意味を理解したようで、うーん、と首を横に倒す。
「NPC……だろ、そりゃ」
「でもあんな不躾な対応するNPC、他にいないだろ?」
「それもそうだけどなー……」
どうやらキリトは何度かあの店に通っていたようだが、その可能性について追及したことがないようだ。
顎に細い指を添えつつ考える事数秒、しかしキリトは首を横に振った。
「てか、確かめる方法ないだろ? 店の中じゃカーソルも出ないし」
「確かに……」
そうなのだ。プレイヤーが数多く密集する可能性がある店内――アルゲードの店がそれほど混む可能性は0に等しいだろうが――では、視線を動かすたびにプレイヤーをフォーカスしてギルドタグやHPバーが次々と表示されることを避けるためか、カーソル自体が表示されない設定になっている。そのため、店内ではあの店主がプレイヤーかNPCか判別できない。
しばし、うーむ、と二人で唸る。人にはどうでもいいことを無性に考えたくなる時があるということだろうか。
しかし、この話題を提供したのはアスカに取って失敗だった。
「ま……本人に直接聞けばわかることだし、そんなに真剣に考える事でも……」
「…………いや……」
アスカが適当なタイミングで話題を収束させようとした時だった。
キリトの口から、小さな声が漏れる。何となく、なんとなーく、嫌な予感がしたアスカが視線を上げると――好奇心いっぱいだ! と怪しげに目を光らせるキリトがいた。
「……あの寡黙なマスターに直接聞くんじゃなくて、何か自分達で特定する方法があるはずだ!」
――しまった! 藪蛇だったか!
なんて後悔がアスカを襲うが、既に数日前同様の探偵モードキリトは攻略中もかくやの真剣な表情で考え込む。
「デュエル
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