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緋弾のアリア-諧調の担い手-
そして彼の道行きは
プロローグU
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」の亜種と言った所か。

自身の感情、人間が持つ六つの感情、喜・怒・哀・楽・愛・憎。
その六情に当て嵌まる、属性の刀剣を作り出す能力。


「いいんじゃないかな、中々に面白い。それで神器というからには禁手化もあるだろう?」

「…それはご自身で発言させてからお確かめください」


そう言葉にして、ユーミルは何処か悪戯っぽく微笑む。


「ふむ、ならその時を楽しみにしておくよ」

「ええ、そうしてください。特典の方は残り一つですね。既に決まっていますか?」

「あぁ、決まってるよ」


俺はそれに肯定の意を込めて確りと頷く。

ユーミルは考えている間に、俺は自身の考えを纏めていた。
最後の俺の望み。これは直接は転生の特典とは関係ないが、これが最後の一つ。


「最後の望みだが、特典とは関係ないがいいかな?」

「…ええ、内容にもよりますけども?」


俺のその問いに、ユーミルは困惑気味にそう答える。

生前の人生に未練はないと確かに言ったが、心残りがない訳ではない。
故に、過去を払拭する為に俺はそう宣言した。


「―――俺の存在を、記憶を世界から抹消して欲しい」


それが俺の最後の願いだ。
俺がこれまでの人生で連なってきた人達に、迷惑は掛けたくない。

それは親代わりに俺を育ててくれた父の妹夫婦であったり、親友であったり、大学のちょっと無口な後輩であったり、酒飲みでよく絡んできた先輩であったり。


「俺を、暮桜霧嗣という存在を世界から抹消してくれ」


それは俺の身勝手な願い、それは解っている。
残される者達にその追憶の想いすらも許さない、ただの我が侭だ。


「…いいのですか?そんな事をしてしまえば、きっと……」

「いいんだ。どうせ俺は死んだ人間だ、死して皆に迷惑は掛けたくはない」


俺は転生といった形で新たな生を歩む。
きっと俺が死んだ事を彼らが知れば心を痛めてくれる事だろう。

叔母さんやおじさんは子供が出来なくて、俺を本当の息子の様に育ててくれた。
俺の“両親”ならきっと「私達の息子は死しても自慢の息子だ」と涙しても、言ってくれるだろう。

そんな人達に迷惑は掛けたくない。それに俺は―――


「後悔はしてないよ、たとえそれがユーミルの間違えによって起きた事でも。あの子を救うと決めたのは俺だ…だから、後悔なんてない」

「……解りました。ではあなたという存在を世界から抹消します……本当に宜しいんですか?」

「ああ、大丈夫だ」


確かな意思を込めて、俺は頷いた。
それに対して、ユーミルはわかりました…と頷き、俺の意思を汲み取ってくれた。


「これで、特典も決め終わったな。…いつ転生す
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