そして彼の道行きは
プロローグU
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たゲーム作品も登場している。
“永遠のアセリア”“聖なるかな”等だ。
「……上位の永遠神剣ですか」
「ああ、無理にとは言わないよ」
今度は俺が少女の言葉に是と頷く。
そう頷くと、少女は真摯な瞳と表情で俺を見据える。俺もそれに負けない様に見据え返す。
俺が欲しいのは、その大切な物を守る為の一振りだ。
全てを守り、包み込む、絶対的な力。そこには俺自身の願い、渇望が確かに込められている。
「それクラスの代物でしたら、枠を三つは使用しますよ?」
「ああ、構わないよ。出来ないとは言わないんだな?」
「はい。流浪の身であり、主を持たない神剣等も世界には存在しますから」
そう俺の質問に答え、言葉を紡ぐ。
「それにもし、神剣を手にしてもです。その神剣が貴方を主として認めない可能性もありますよ。神剣というのはそれ程までに強大な力なのです」
少女の言う事も、確かに理解出来る。
永遠神剣という存在は、使用者に絶対的な恩恵を与えるが意思を持つ。
人同様、その性格はそれぞれ千差万別で個性がある。
主に従順な者、捻くれ者な奴。中には所有者の身体を乗っ取る様な存在もいる。
手にしても、俺という存在を主として認めなければ、俺はその膨大な力の前に身体を乗っ取られたり、消失する可能性もあるのだ。その部分を少女は言っているのだろう。
「まぁ、きっと何とかなるさ」
きっと何とかなる。何処か謎めいた、そんな確信が俺の胸の内にはあった。
強くてニューゲームをさせて貰えるのだ、ある程度のリスクは承知の上だ。
「わかりました。では、残りの枠は二つですね」
「うむ、身体能力のアップかな」
「貴方にそれ系統の能力は必要ないのでは?」
「何でだよ?」
「“あの状態”になれば、思考能力、判断能力、反射神経、運動能力が常人の約15倍まで跳ね上がるんですよ?」
…この少女は俺の生前の特異性について知っているのか。
「実習中に貴方の個人情報は書類で拝見させて頂いているので、それぐらいは」
人権侵害だな…って、神様にそんな事を言っても意味はないか。
心も読まれまくりだし、プラベートも何もあったものじゃない。
俺のその特異性。確かに我ながらに超人的でチートな力だと思う。
「なら、どうするかな…」
身体能力のアップを頭の隅に追いやり、顎に手を当てて別の特典を模索する。
……そうだ。ふと、その考えが頭を過ぎる。
「なぁ、一つ君が決めてくれないか?」
「私が、ですか?」
「そう、別にそこまで拘りとかないしさ」
俺のその問い掛けに少女は驚いた様に目をパチクり…と瞬きをする。
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