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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第55話 向き合う刻
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レの問題。オレが乗り越えなければならないもの……だから」
リュウキは、そう言い表情を強張らせてはいるが、精一杯の笑顔を見せた。
「リュウキ……君」
女の子だから、レイナは、リュウキが無理をしている事、直ぐに判った。そして、何より、レイナはリュウキの姿を見て我慢できなかった。
自分の方がずっと辛い筈なのに、それでも精一杯笑顔を見せて安心させようとするその姿を見たレイナ。
母性本能が彼女を動かした。
恥ずかしさとか、そんな気持ちは霧散し、レイナは 自然にリュウキの身体を包み込む様に抱きつき、抱きしめたのだ。
「リュウキ君……抱えこまないで……。苦しいなら……苦しいなら、はき出せば良いって思う」
「ッ………」
突然抱きしめられた事。
その事に驚いていたが、不思議と抵抗しようなどと思わなかった。
レイナは、温かった。
リュウキは心の底まで、温めてくれている。そんな感じがして、心が安らいだのだ。包みこんでくれている、ただ、それだけのことなのに心が落ち着く。温かさとその鼓動だけで、こんなに落ち着かせてくれるものなのだろうか。とも思えた。
これまで、現実ででも支えてくれていたのは爺やただ一人だったんだけれど。これもきっと、初めての経験だった。
「リュウキ君は……あの時。初めてあったあの時、私の話を聞いてくれた……。今度は私の番だから。私……リュウキ君の力になりたい……から」
レイナは抱きしめながら……そう言う。なぜか、レイナが涙を流している。
自分のことの様に。
「………あ、ありがとう。レイナ……」
リュウキは、そう言うと……訥々と始めた。
忘れてはいけない。だけど……、全てを闇の底に葬りたいと思えた過去の記憶を。
それは、彼女と自分の物語。
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