暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第55話 向き合う刻
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分が腹立たしい、と。

(うぅぅ……私……また、ちゃんす逃しちゃったのかも……)

 リュウキはそんなレイナの顔を見ていたら、嘘だなんて思えるはずもない。真剣に、嘘を見抜こうとして集中していた自分がまるで間抜けの様に思えた。そもそも、レイナ自身も嘘を言うような人間じゃないって言う事は重々承知だったんだ。だから リュウキは………。
 
「は………ははははは……」

 リュウキは笑顔になった。呆けた表情から一変、顔をふにゃりと和らげて。

「あはははははっ!」

 遂には大声で、笑い声が森の中に響き渡った。
 その笑顔は、正に歳相応のもので、いつもの感じが全くしない。言うならば、格好いいリュウキが、急に幼く可愛くなった。と言うイメージだろうか。

 この生死を分かつ場所で、場違いだと思える笑い声。

「……えっ? ええっ?? な、何か、おかしかったっ??」

 レイナは、見た事のない彼に、ただただ動揺するだけだった。

「あはは……、ゴメンゴメン……」

 笑いが止まらない様子だったリュウキだが、レイナが困惑しているのを見て、笑いから出た涙を拭った。

「久しぶりに笑ったよ。……多分、心の底から。……この世界にきて初めてかもしれないよ」

 リュウキは今の自分の変わりように驚きつつも、今の自分の事を冷静に見れている自分もいた様だった。

「……へ?」

 レイナは、そう聞いても只々キョトンとするしかなかった。

 そして、暫くして 今回の事をレイナから詳細を細かく訊いた。

「そう……か。オレはキリトにもレイナにも本当に心配をかけたんだったんだな。本当にゴメンな」

 リュウキはレイナに謝ってた。レイナは、キリトとのメッセージの取り合い後2人で会っていた様なのだ。自分の予想は外れていなかったけれど、そこまで深く心配されていたとは思ってなかった様なのだ。
 ……誰かに心配をされる事など、殆ど無かったから。


『リュウキは、何か背負っている。以前にレイナが言っていた通りだ。アイツは……、辛いその何か(・・)を。多分レイナと会ってそれを思い出したんだと思う』

 レイナは、そうキリトに言われた。だから、リュウキの力になってあげたかった。私と会って、思い出したって言うのなら、自分のせいでもあるんだからと強く思っていたから。

「いや、でも…… 私のせいじゃないって言ってくれたけど、……私といたせいで、その、思い出しちゃったんだよね? 謝るんなら……私にだってそうだよ」

 レイナは、そう言うと顔を暗めた。切欠が自分なのなら、と。
 だけど……、リュウキは首を振った。

「違う。さっきも言ったけどレイナは悪くない。オレに……その楽しさを教えてくれたんだから。……これはオ
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