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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第55話 向き合う刻
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リュウキは、レイナに掴まれている手を握り返し答えた。
「いや違う。……それは誤解だ。レイナのせいなんかじゃない。……誰のせいでもない」
リュウキは、真っ直ぐな瞳で答えた。
「……ほ、ほんと?」
レイナの目からは涙が零れ落ちた。その雫は、四散し硝子片となって宙を舞う。
「……ああ、オレは嘘は言わない。だろう? ……うん。嘘を言った覚えはない」
リュウキがそう返すとレイナは涙を拭った。
「ほんと、良かった……。キリト君にも、そう聞いたけれど、私は……リュウキ君本人から聞きたかったから」
レイナはまだ心配の表情をしていたが、何処か、ほっとしたように胸をなで下ろしていた。その姿を見て、リュウキは首を傾げた。
「……それで、レイナは それだけの為に、此処まで来たのか?」
リュウキは、少し呆れるかの様に訊いていた。確かに心配をかけたのは事実かも知れないけれど、それなら、メッセージを送れば良いだろう。レイナは態々直接此処まで駆けつけてきたのだ。……大袈裟、そう思ったのだろう。
そのリュウキの言葉を訊いたレイナは、再び火がついたようだ。
「……そ、それだけっ!!?」
レイナは凄く怒った表情に変えたのだ。喜怒哀楽激しいものだと思えてしまうリュウキ。まるで烈花の如く勢いで捲し立てる。
「それだけっ!? じゃないよっ! すごく、すーーーーっごく心配したんだからっ! リュウキ君にもしもの事があったらって! だ、だって……折角、仲良……く……。なれたのに、そんな事があったらっ、わたしは……っ」
レイナは、リュウキに顔を近づけながらそう言った。
「………」
リュウキは、その表情を見て、レイナの目を見て、考えた。
――……なぜ、目の前の少女は自分にここまで構うのか?
そう考えたのだ。確かに、レイナとは 知らない間柄ではないのだけれど、付き合いが長いか? と問われればそうでもない。BOSS攻略の時は基本的に同じレイドではいるのだが、最近では彼女はギルドの事もあり、同じパーティという訳ではない。
付き合いの長さで言えば、キリト、クライン、エギル……と言った男性陣の方が圧倒的に多い。
これは、勿論リュウキから見た視線だが。
「……レイナ」
「っ!?」
レイナは、自分がリュウキの顔を至近距離で見ているのに、今更ながら気がついた。
リュウキが冷静な表情で、自分の名前を返されて我に返ったのだ。次の瞬間には顔が ボンッ! っと本当に爆発しかねない程まで紅潮してしまう。
そんな表情に気づいていないリュウキは、ただ疑問を口にしていた。
「……教えてくれないか。レイナは、どうしてオレにそこまでしてくれる? ……なぜ、オレ
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