暁 〜小説投稿サイト〜
真似と開閉と世界旅行
変異〜
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さすが嫁。反応が速い。

「あいつは今どこに!?」

同位体も速い。

「ここで測定していたセフィロトの情報を見ていたが・・・ロニール雪山の情報じゃったな」

「!」

その瞬間、撫子が凍りついた。

「行ってみますか?」

「そうだな。バチカルは後回しにしてアッシュを追いかけよう」

「あ・・・」

みんながアルビオールに向かうなか、がっくり肩を落とした撫子の両肩を、それぞれ俺と黒羽が叩く。

「「どんまい」」

「・・・」

そして雪山・・・

「(がくがくがくがく)」

「・・・はぁ」

俺はマフラーを取ると、撫子の首に巻く。

「・・・え?」

「多少は寒さ凌げるだろ?・・・まあ、ボロいけど」

「ああ、いえ。ありがとうございます」

俺は前を歩くジェイドに話しかける。

「・・・なあ、ジェイド?」

「なんですか?」

「超振動で障気って・・・消せるのか?」

「・・・多大なコストがありますけどね」

「コスト?」

「まずアッシュが受け取ったというローレライの鍵。あれなら第七音素を集めるにはうってつけでしょう。・・・そう、大量の第七音素が必要なんですよ。数にするなら、素養があるものを入れても一万人の命があれば足りるかと」

「一・・・!?そんなの・・・」

「ええ。無理です。ルークにも忘れるよう伝えましたが・・・物覚えの悪い子供です」

「・・・なるほど」

俺は眼鏡の位置を直しながら聞く。

「・・・障気は負の存在。なら・・・」

「それこそ却下です。その闇・・・障気は間違いなくあなたの許容範囲を越える。個人の闇で暴走しかけたあなたでは・・・」

「・・・だよなぁ」

「別の方法を考えましょう」


ナタリアが口を開く。

「結局、ここで雪崩に巻き込まれた人間は、みんな助かったということですわね」

「・・・そういうことだな」

「ジゼル達はなんでモースに協力してるんだ?ジゼルの性格上アイツとは合わない気が・・・」

「ですが、以前から協力している節はありました。利害が一致している時は手を組む・・・」

「もしくはお互いがお互いを利用してるってことか?」

知也の言葉にジェイドは頷く。

「まあ、モースの思い込みだろうな。六神将は利用してるだけだろうし・・・」

その時、ルークが何か呟いていた。

「新暦1999年。我が娘メリル誕生の記念に・・・(ボソッ)」

「どうしたルーク?何か見つけたのか?」

「い、いや、ただのゴミだった」

「「・・・」」

それを怪しむ眼鏡二人。とにかくパッセージリングに行くと・・・

「・・・ここにも宝珠の気配はないか」

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